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ホンダF1撤退は正直ショックだわ… [F1]

今日のテーマソング,メアリ・マクレガーの「SAYONARA」(「さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅」主題歌).

 F1レース活動について (本田技研工業株式会社)

デジャブな感じでスタートしたこの記事だが….自分はF1が好きなのであってそれとホンダが好きかどうかは別の話,と思っていたけど,このように発表されてしまうとやっぱりさみしい.同じ日本メーカーでもトヨタがF1に参戦している理由とホンダのそれは違うと思っていたんだけどなぁ.今になって冷静に考えれば,今年のF1シーズンが始まってからスーパーアグリが撤退するまでの経緯といいなんともきな臭い感じはしていたんだけどね.つか来年の日本GP,鈴鹿サーキット開催だけど親会社がいないってのもなんだかなぁ,って気がして.

実際どこの自動車メーカーも景気はよろしくないのはよ~く分かってるつもり.だからこそバーニー・エクレストンがやれ「エンジン開発凍結」だの「全車同じエンジン搭載」だのいろいろと提案しているのだが….どうも激しく間違った方向に行っている有様でね.別にエンジン統一しなくてもいいじゃん.トヨタエンジンやヒュンダイエンジン搭載したフェラーリなんて見たくねーよ!つか,フェラーリの場合,そもそも会社ができた理由が「F1に参戦する資金を稼ぐためにスポーツカーを売っている」だから,下手すると撤退ですよ.マジで.

こんなときの妥協点はどこにあるんだろうか.エンジンは自由に選択,ただしコスワース製のエンジンが安価にコンストラクターに供給される,でシャーシはコンストラクター製でなくてもよい(ローラとかダラーラとかでも可),なおかつ他チーム製造の型落ちシャーシの使用も可能.各チームの参戦台数は1台体制も可とする.また3台体制・4台体制も可とする.こんくらいしたらプライベータも参戦して盛り上がるんではないかな.

しかしなぁ,ホンダがいなくなるとグリッド上に並ぶマシンは18台よ.ちょっとさみしすぎやしねーか.3台体制にすると27台.このご時世3台体制は苦しいかもしれんけども,テスト制限を厳しくしたらどうにか乗り越えることはできないもんかねぇ….

まさか2日続けてF1のグチを書くとは思わなかった.しょぼ~ん.いっそ1回F1辞めてしまえばなんて考えてしまうわ(ちなみに正確に書くと,今はF1規定で争われる世界ドライバー選手権だが,ごくごく初期の1952~3年はF2規定(現在のGP2にあたる)で選手権を行なったので無いとも言い切れない話ではある.コレ豆知識ね).あ~あ,どうなるんだろうF1.

今日はこんなところで!


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何がしたいの,バーニー [F1]

そうか,やっぱり中嶋もそう思うか…

 一貴「オーバーテイクを増やすためなら、マシンが醜くても仕方がない」 (Yahoo! JAPAN)

スリックタイヤ復活で期待していたけんども,それを補って余りあるカッコ悪さ.フロントウイングは無駄にバカでかく,リアウイングはやたらに小さく高い.抵抗アリアリです.いっそのことウイング廃止した方がまだマシなんじゃなかろうか,ってな感じで.

で気になるのが1つ.果たしてこのマシンになったところで中嶋の言っているようにオーバーテイクできるのか,ってこと.ここのところのレギュレーションの変遷を見ると空力デバイス制限→よりシビアな設計のパーツが付く→乱気流発生!オーバーテイクが難しい→空力規制→…の悪循環を繰り返してるからな.空力に頼るのではなく,メカニカルグリップを増やすことがオーバーテイクを増やすために必要なことはエライさんも分かっているんだろうけども.さっきネタみたいに書いた「ウイング廃止」ってのもマシンがかっこよけりゃアリな気もする….

というか,そもそも「オーバーテイク」って必要か?ってのもある.日本でF1人気が高かった1980年代後半~90年代前半は「セナ独走,終盤はクーリングで楽勝」とか「ウィリアムズ超特急,他チーム全てを周回遅れ」なんていうオーバーテイクの無いレースも多かったケドね.F1はハンデキャップスポーツであるから面白かったってのもある訳だし….それを言いはじめると本当にキリが無いけど,今の予選は最速マシンがポールポジションになる訳ではないし,8位までポイントを与えることで価値はダダ下がりになるし,優勝と2位の差が2ポイントしかないから守りに徹する走りになってしまうしって感じで.

いっそのことこんなのはどうでしょうか?

  • ポイントは1位から6位まで10-6-4-3-2-1.
  • ポールポジション,ファステストラップ,最多ラップリーダーに各1ポイント.
  • 制限は燃料規制のみ.
さすがに最後の燃料規制のみってのはかなり無理があるけど,来年からKERS(電車の回生ブレーキみたいなヤツ)が搭載されることだし,今更なことではあるけれどF1に「走る実験室」的な意味を持たせるのであればあながち無いとも言い切れない気もする.ポイントシステムに関しては理解してくれる人も多いんではないかな.

しかしやね,バーニー・エクレストンもここんところ戯言が増えて振り回されているコンストラクターが気の毒で.プライベーターもワークスもやる気無くすよ,ホント.ワンメイク制・エンジン開発凍結ってワークスの存在意義無くなるし,メダル案やトロロッソを見ているとプライベーターを盛り立てる気も無さ気だし.なんか分裂間際のインディカーや消滅寸前のSWCを見ているみたいで….

なんか年明けの新車発表,盛り下がりそうだな~なんて思ってみたりして.今日はこんな感じで.では~.


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歓喜のカナダグランプリ [F1]

まずは
 佐藤琢磨,6位入賞おめでとう!

セーフティカー中のピット作業のレギュレーション変更やピットロードエンドの信号無視等,バカ荒れなレースでの6位入賞.しかもチャンピオン・アロンソをオーバーテイクするという「まさか」を演じて魅せた佐藤.ワークス時代の危うい速さとスーパーアグリに移籍してからのガマンしながら完走を目指すという全く違う2つの面が,いい方向で出たレースだったのでは無いでしょうか.
(ワークスにいた頃の佐藤だとアロンソとぶつかっていたかも…)

それと
 クビカ,生還してくれてホントよかったよ…

どうしてもモータースポーツには危険は付き物だし,クラッシュもレースの中のひとつの徒花というのは否定しない.でもやっぱり1994年の悪夢の週末とそのときに虚無感を知っているだけに,とりあえず生還してくれてよかった.地味だけど速いドライバーだからね,クビカは.

ただちょっと気にはなるなぁ.同じモントリオールで大クラッシュをした後,パニスにあった速さが目に見えて無くなったからなぁ.復帰後,どのような走りをするかがチャンピオンクラスになるか,アレジ・パニスクラスになるか,それとも勝ちを知らずしてF1を去っていくかの別れ道な気がします.

あとハミルトン,初優勝おめでとう.トップチームだしポイントリーダーだったんで今シーズン中に勝てるだろうとは思っていたけど結構早い段階で勝てましたね.しかしなぁ,同一チーム内にポイントリーダーと2位がいるっつうのは,ロン・デニス,昔のことを思い出してちょっと頭が痛いかも知れませんね.

古豪ウィリアムズも復活の気配…ちょっと楽しみ.簡単ですがたまにはF1ネタもね.ということで!


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佐藤琢磨・スーパーアグリ,ポイントゲットおめでとう! [F1]

アヒルの記事を書いたときに「今年はレヴューしないよ,スーパーアグリがもっと活躍したら記事書くかも」みたいなことを書いたのでね.素直に書くよ.

佐藤琢磨と鈴木亜久里オーナー,スーパーアグリのスタッフの皆さん
8位入賞おめでとうございます~!

正直に書く.オイラ今年流し見でしかF1見てない.しかもスペインGPはなんとまだ見ていない!なんかシュー兄がいなくなってからF1に対するモチベーションが下がってしまったつうか…何つーか….

ただラップチャートを読んで解析したり,いろんなところの記事を読んだりはしているので簡単にこの件を.はっきり言ってしまうとトラブルの多いレースだったため,第3期ホンダ優勝のときと同じように今回の入賞も棚ボタに近いものであることは否めない.

しっか~し今回の大事なポイントは次の2つ.「最後まで走りきったこと」「何かがあればポイントの取れる9位を堅実に走行していたこと」.これに尽きる.最後まで走ってチェッカーを受けて初めてポイントを獲得する権利が与えられる(厳密にはレギュレーション上はちょっと違うんだけど).それができたからこそポイントゲットできた訳なのである.

レースは当たり前だが速いだけでは勝てない.速さ,マシンのパッケージング,ドライバーの手腕,ピット戦略,ピット作業,状況解析,情報戦その他もろもろがぴったりフィットしなおかつレースでゴールしたときに,そのチームの持っている最大のポテンシャルが発揮されたと言えるわけだ.今回のスーパーアグリの入賞は今現在彼らの持っているポテンシャルをほぼ最大限に発揮できたからに他ならない.しかも,スーパーアグリはまだまだ発展途上のチームである.もしかしたらヨーロッパ~北米~ヨーロッパラウンド,そしてシーズン終盤にかけてもっと上を狙えるようなポテンシャルの上積みがあるかもしれない.

今後の佐藤琢磨とスーパーアグリの更なる入賞,表彰台,優勝を期待して.
#いや~正直こんなに早くスーパーアグリがポイントゲットできると思わなかったなぁ….


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いきなり火の玉モントーヤ [F1]

2006年半ばにしてマクラーレンを離脱,F1からNASCARに活躍の場を移したファン・パブロ・モントーヤですが,彼にとってのNASCARデビュー戦マイアミでのフォード400で派手にやらかしてくれました.

 Montoya calm in midst of wild Nextel Cup debut (NASCARオフィシャルサイト)

著作権的にまずいかもしれんのですが,YouTubeにクラッシュ動画がアップされているので興味のある方はどうぞ.

 JPM Fireball experience NASCAR 11/19/06

…いやいやYouTubeにもあるとおりいきなり「火の玉」ですか,それとも「火の車」ですか.まぁCARTにいた頃はハイスピードオーバルのコースで「ぶつかってでも前に出る」つう危なっかしい発言をしていたモントーヤではありますが,いきなりコレでは先々心配になりますなぁ….

多分モントーヤのようなファイタータイプのドライバーは観るほうにとってはNASCAR向きなのかもしれませんが,とにかく駆け引きが重要で神経を消耗するようなショートオーバルの多いNASCARにおいてどこまで活躍できるもんか,かなり不安な感じです.

一ファンとしてはとにかくモントーヤの活躍を祈るばかりです.


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一寸先は闇(2006F1第17戦日本GP&第16戦中国GP) [F1]

イタリアGPから3週間.F1サーカスは極東ラウンド2連戦へ.まとめてレヴューするが,いやぁ,激しい連戦だった….

まずは10月1日決勝の第16戦中国GPから.

  • 雨の予選,ブリヂストン失速
    予選の行なわれた9月30日,上海インターナショナルサーキットは雨天,ウェット路面.ブリヂストン勢は全く振るわず全車ノックアウトされかねない状況.最終第3セッションに進出できたのはM.シューマッハ(フェラーリ)のみという悲惨さ.アロンソ(ルノー)がポール,フィジケラ(ルノー)2番手でフェラーリへ反撃の狼煙を上げる.ホンダの2台は同タイムでバリチェロ3番手,バトン4番手.M.シューマッハが6番手でブリヂストン勢の面目を保つ.クリエンに変わって出走のドーンボス(トロロッソ・コスワース)が10番手,雨とはいえ侮りがたし.
  • スプラッシュバトル
    決勝日は曇天,路面は微妙にウェット,大混乱の予感.各車ウェットタイヤでスタートを向かえる.そしてスタート,ここでは意外にもアクシデントは1件のみ,ドーンボスがコースオフし一気に最下位転落.5番手スタート,ライコネン(マクラーレン)が好スタート,バトン,バリチェロを交わし3位に浮上,一方バリチェロはライコネンと入れ替わり5位に転落.序盤はアロンソ-フィジケラの1-2体制で周回が進む.
  • もはやライコネンのお家芸
    ライコネンは13周めにフィジケラをパス,16周めにピット.順位を回復しようとしていた矢先の18周め,スロットルトラブルでスローダウン.いいところを見せながら序盤~中盤に消えていくライコネン.
  • 逃げるアロンソ,M.シューマッハ,虎視眈々
    アロンソはファステストラップを更新しながらマージンを稼ぐ.M.シューマッハは序盤にホンダの2台を次々にパス.タイヤ無交換ピットなど細かいワザを繰り出し後方待機で虎視眈々.
  • 路面が良化,レコードラインはドライに
    中盤からレコードラインが乾きドライコンディションとなる.続々と各車ピットイン.アロンソはピット作業でミスがあり順位を下げる.最後までレインタイヤで粘ったM.シューマッハとフィジケラはそれぞれ40,41周めにピットイン.コース合流でフィジケラが一瞬トップに立つも1コーナーでラインが膨らみM.シューマッハに交わされる.
  • M.シューマッハついにポイントリーダーに
    結果そのままM.シューマッハがトップを守り10ポイント加算.ピット作業のミスから猛然と追い上げを図ったアロンソが2位で8ポイント加算.この時点でポイントが並び優勝回数の関係上M.シューマッハがポイントリーダーとなった.3位にフィジケラ,アロンソの援護が出来なかったのはルノーとしては辛いところ.以下バトン,デ・ラ・ロサ(マクラーレン・メルセデス),バリチェロ,ハイドフェルド(ザウバーBMW),ウェバー(ウィリアムズ・コスワース)までがポイント獲得.佐藤(スーパーアグリ・ホンダ)は完走を果たすも終盤のチグハグで迷惑かけまくりのドライビングが問題となり失格処分,山本(スーパーアグリ・ホンダ)がテールエンド16位で初完走.結果がすべてのためスーパーアグリの2台はダブル完走にはならず,勿体無い.

ポイントランキングトップに立ったM.シューマッハだが,今期のブリヂストンの雨の弱さが露呈してしまった中国GPだった.

そして翌週10月8日決勝の日本GP in 鈴鹿サーキット.来年の日本GPは富士スピードウェイで行なわれるため,M.シューマッハの見納めとなるだけでなく,当分の間鈴鹿サーキットでのF1マシンのレースの見納めということになる.なんか寂しい日本GP.ここでM.シューマッハが優勝しアロンソがノーポイントに終わればチャンピオン決定だが,レースはそんなに簡単なもんじゃない.簡単にまとめたい.

  • 予選はドライ,フェラーリがフロントロウを独占
    グランプリ初日は雨,ブリヂストン陣営に嫌な予感が走るも予選日は天候が回復しドライに.今度はブリヂストン勢が絶好調.予選トップはマッサ(フェラーリ),M.シューマッハが2番手に付けフェラーリがフロントロウを独占.ブリヂストン勢の一角,トヨタが地元日本でセカンドロウに,R.シューマッハ(トヨタ)が兄の直後3番手,トゥルーリ(トヨタ)が4番手,5番手アロンソ,6番手フィジケラでルノーがサードロウに並ぶ.4列めはホンダの2台が並びバトンが7番手,バリチェロが8番手.今のフェラーリとルノーの力関係,地元のワークスの気合の入れようが見事にグリッド順に現れる結果となった.
  • フェラーリは堅実なスタート,アロンソポジションアップ
    決勝日も晴,ドライコンディション.レッドシグナルが消灯し,M.シューマッハの最後の日本GPがスタートする.ホールショットはマッサが獲得,M.シューマッハが続きフェラーリの1-2体制を構築.アロンソが前を行くトゥルーリを喰い4位に浮上.バリチェロは何かのアクシデントに巻き込まれた模様.2周め早々にピットイン.フロントノーズを交換.3周め,M.シューマッハがマッサを交わしトップに立つ.
  • 忍び寄るアロンソ
    トヨタの2台は想像どおり燃料搭載量は少なくトゥルーリが12周め,R.シューマッハが13周めにピット作業を行なう.同時期にマッサがピットイン.トップのM.シューマッハに忍び寄るアロンソ.ここから2周アロンソはきっちりプッシュし,ピット作業終了後も2位に留まる.
  • アルバース(ミッドランド・トヨタ)危機一髪
    20周めのシケイン入口,アルバースのサスペンションがいきなり破損!タイヤが外れリアウイングが吹き飛んでしまう.しかし130Rの途中に壊れなかったのは不幸中の幸い.コース上にデブリが散乱するも黄旗処理のみでレース続行.
  • 好事魔多し!!
    1回めのピット作業後もトップを快走するM.シューマッハ.36周めのピット作業も無難に終えまたまたトップでコースに復帰.このまま独走かと思った直後のデグナー.フェラーリのマシンから白煙!M.シューマッハはそのまま車を止めリタイアとなる.日本GPでM.シューマッハが使用したのは2戦目のエンジン.唯一の懸念事項と思われたところが重要なレースでトラブルを起こすとは….これでトップに立ったのは…アロンソ.
  • アロンソ優勝,チャンピオンへのマジックポイントは「1」
    結果アロンソがトップのままレース終了.10ポイント加算でM.シューマッハとのポイントは10に.最終戦で1ポイントでも加算すれば2年連続でタイトルを獲得することになる.2位にマッサ,3位にフィジケラ.以下バトン,ライコネン,トゥルーリ,R.シューマッハ,ハイドフェルドまでばポイント獲得.ライコネンは予選好調時にトラブル発生,予選不調時に盛り返してポイント獲得と言うレースが多い気がするがこれも芸風だろうか….18台完走扱い.スーパーアグリの2台は佐藤がモンテイロ(ミッドランド・トヨタ)の前で完走し15位,山本が地元で2度めの完走17位.このラインナップで初の2台完走.おめでとう.

しかしアレである.イタリアGPではアロンソにまさかのエンジントラブル,日本GPでM.シューマッハにエンジントラブル.お互い重要な局面で派手なトラブルが発生する皮肉.最終戦でM.シューマッハがチャンピオンを獲得するための条件は,自身が優勝しなおかつアロンソがノーポイントに終わること.厳しいな,これは.

あと極東ラウンドではセカンドドライバーが思うようにサポートできていないことを感じた.あえて「たら」「れば」で書いてみよう.まず中国GP.フィジケラが最後のピットストップ後きっちりとM.シューマッハを押さえ込めていれば,アロンソのプッシュを見る限りチームプレイでM.シューマッハに10ポイントを献上することにはならなかった気がする.日本GP,こちらはマッサ.M.シューマッハのトラブル,リタイアに関しては不可抗力のことだと思う.が,1回めのピットインの後プッシュし,アロンソの前に出ることが出来ていれば,全く状況が変わっていたハズだ.仮にマッサが優勝,アロンソ2位になっていたとしたら,M.シューマッハのチャンピオン獲得の可能性は今よりは高かった.ま,書いたとおり「たら」「れば」だが….

次回は今シーズンの最終戦,サンパウロ・インテルラゴスで行なわれるブラジルGP.次がM.シューマッハのラストラン.チャンピオンの行方はどうなるのか.お楽しみに!


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ティフォシ達の聖地にて(2006F1第15戦イタリアGP) [F1]

9月10日,F1サーカスはティフォシの聖地モンツァへ.ここモンツァが今期のF1世界選手権のヨーロッパラウンド最終戦となる.ま,レースのことだけでなくいろいろあったのでレヴューはシンプルに,感想を少しだけ長めにまとめてみたい.

  • ライコネンPP獲得,M.シューマッハは2位,アロンソは…
    まずは予選.超高速サーキットであるモンツァにおいて重要なのはエンジン.ここで調子が良かったのがザウバーBMWの2台.ハイドフェルド(ザウバーBMW)が3番手,ルーキーのクビカ(ザウバーBMW)が6番手で決勝に駒を進める.フェラーリの地元モンツァでポール獲得を目指したM.シューマッハ(フェラーリ)だったがチェッカー通過時はトップタイムだったが直後に通過したライコネン(マクラーレン・メルセデス)に1000分の2秒差交わされ2番手で決勝を迎えることになる.ライコネンは今期3度目のポールポジション獲得.
    ただこの予選大変後味の悪いものとなった.ポイントリーダーのアロンソ(ルノー)が第3セッションでマッサ(フェラーリ)のタイムアタックを妨害したとしてベスト3タイムを抹消され10番手となった.マッサの車載カメラの映像を見る限り妨害しているようには感じられなかった.このあたりジャーナリストは,マッサは損をするどころかその逆でアロンソをマークすることでタイムが出せている,とまで書かれている.相変わらずの不可解なペナルティ.チャンピオンシップをこんなことで汚して欲しくはない,個人的に.
  • クビカ好スタート!フェラーリ失速
    シグナルがブラックアウトしレーススタート.ライコネンはPPから問題ないスタートでトップで第1シケインを通過.フェラーリの2台は失速.どうにかM.シューマッハは建て直し2番手でシケインを通過.好スタートを見せたのがザウバBMWのクビカ,同僚のハイドフェルドに続く4番手に順位を上げる.一方のハイドフェルドはスピードが乗らず1週めにクビカ,マッサ,バトン(ホンダ)に交わされ6番手で1周めのCLを通過することになる.
  • ファステストラップの奪い合い
    ライコネンとM.シューマッハはファステストラップを更新しながら3位以下との差を広げていく.アロンソはここモンツァではガマンのレースが続く.オープニングラップを7位で通過.前を行くセカンドグループのマシンを1台1台大きな無理はせずに交わしていくことに.
  • ハイライトは1回めのピットイン
    軽いタンクが予想されるマクラーレン.14周めにデ・ラ・ロサ(マクラーレン・メルセデス)がピットイン.その翌周ライコネンがピットへ.作業に問題は無い.その間にM.シューマッハは猛然とアタックしタイムを稼ぐ.ライコネンから遅れること2周M.シューマッハがピットイン.作業を終了しコースに合流するとライコネンの前に!
  • こんなときにはツキもない,アロンソ…
    とにかく完走し少しでも多くのポイントを加算したいアロンソ.4位まで上昇し1回めのピットストップ.さらにガマンガマンでコツコツと順位を上げ41周め,3位クビカの直後で同時ピットイン作戦を敢行.ピット作業はほぼ互角,2台はピットレーンでサイドバイサイドに.互いに譲らなかったがコース合流部分でアロンソがクビカを交わす.ここでリスキーなことをしないでも…と思った直後,信じられないことに安定感抜群のルノーエンジンがここでブロー!派手に白煙を吹き上げ第1シケインでマシンを止める.ここで被害を受けたのがマッサ.トップスピードから急減速,第1シケインを激しくショートカット.タイヤにフラットスポットが….結局入賞ならず9位でレースを終える.
  • M.シューマッハ,ライコネンを振り切り優勝
    終始M.シューマッハには影のようにライコネンがついて回ったが見事にレースをコントロールしトップでチェッカーを受ける.ライコネンも相変わらず信頼性の低いマシンながら2位を獲得.特筆すべきは3位のクビカ.サードドライバーとして金曜日のトップタイムの常連だった彼が正ドライバーとなり僅か3戦め,見事に表彰台をゲット.以下,フィジケラ(ルノー),バトン(ホンダ),バリチェロ(ホンダ),トゥルーリ(トヨタ),ハイドフェルドまでが入賞.完走は17台,佐藤(スーパーアグリ・ホンダ)は16位完走,山本(スーパーアグリ・ホンダ)はまたリタイア.日本グランプリまであと僅か.どうにかいい形で鈴鹿に戻ってきて欲しい.

遂にここに来てドライバーズポイントがアロンソ108ポイントに対しM.シューマッハ106ポイント,たったの2ポイント差に.差は無いも同然のところにまで来てしまった.コンストラクターズポイントは遂にフェラーリがルノーを逆転.3ポイント差で極東2連戦を迎えることになる.

さて,やはり書かなきゃならんのだろうな,M.シューマッハの引退について.今シーズンに入り妙なミスが増えていたこともあり,多分今年が潮時かなぁ,とは思っていたし,正直なところ彼はあまり好きなドライバーではないのだけれども,やはり「引退」となるとなにか心にぽっかりと穴が開いてしまったような寂しさを覚える.セナが突然亡くなったその翌日からF1界は間違いなくシューマッハを中心に動き始めた.当時の彼は25歳,奇しくも現在のポイントリーダー,アロンソと同じ年齢である.それから12年間,中心にい続け,素晴らしい記録の数々を残したのは悔しいけれど「偉大」というしか言葉を贈るしかないのだ.ドライバーとしては引退するけど一応フェラーリには残るらしいし,そのあたりはシーズンが終わってから分かることだろう.今はとりあえず憎かったけど強かったシューマッハにお礼を言うと同時に今シーズンの残り3戦を盛り上げて欲しいと言っておこう.

M.シューマッハのレースを見ることが出来るのは残り3レース.その3レースで勝利の女神はM.シューマッハに8度めのタイトルを贈るのか,それともアロンソに2年連続チャンピオンを送るのか.次のグランプリは極東2連戦の1戦め,上海で行なわれる中国グランプリ.とりあえずM.シューマッハの走りを見届けたい.


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マッサGoGoGo!(2006F1第14戦トルコGP) [F1]

(…ふぅ,やっとこのタイトルが使える日が来たか,ネタがカブりませんように…)

8月27日,F1サーカスはヨーロッパとアジアの交差点トルコに.イスタンブールパークサーキットで行なわれるは第14戦トルコGPの決勝.このサーキット,最近できたティルケ謹製サーキットでありながら,彼特有の「低速で回り込む」レイアウトが少なく,中高速コーナーがあり激しいアップダウンがある,なおかつヨーロッパでは特殊な反時計回りというスリリングなコースである.特にターン8はタイヤ・ドライバーに厳しい高速コーナーであり,ターン10を抜けてから立ち上がってターン12でのオーバーテイクが見られるし続くターン13,14がS字となっているため差し返しも期待できる近代サーキットの中では珠玉の出来のサーキットと言えるだろう.タイトルがアレなんでもうバレバレなんだが一応回顧ね.今回はさっぱりめで.

  • マッサ,キャリア初PP獲得
    第2セッション進出を目指すスーパーアグリの2台,佐藤(スーパーアグリ・ホンダ)と山本(スーパーアグリ・ホンダ).残念ながらその希望は果たせず….特に佐藤はトラブルで最下位に沈む.今回は第2セッションをばっさりカット,いきなり最終セッションへ.とにかく速いのがフェラーリの2台.常にライブタイムの上にいる状態.一時フィジケラ(ルノー)がトップに立つもあっさりM.シューマッハがタイム更新でトップへ.しかしそこで予選は終わらない.これまでおとなしくしていたマッサがここで一念発起.タイム更新で初ポールポジションを獲得.2番手にM.シューマッハ,3番手にアロンソ(ルノー)が並ぶ予選結果となった.
  • M.シューマッハ出遅れ,1コーナーで多重接触
    シグナルの消灯でスタート!マッサが好スタートを決めホールショット獲得.2番手M.シューマッハは不利な内側からのスタートした影響か出遅れる.1コーナーまでにアロンソが一旦前に出るも,1コーナーのイン側を死守したM.シューマッハが2番手を守る.3番手でアロンソは1コーナー通過.その後ろでフィジケラのスピンに端を発する多重接触が発生.R.シューマッハ(トヨタ),ハイドフェルド(ザウバーBMW),ライコネン(マクラーレン・メルセデス),スピード(トロロッソ・コスワース),モンテイロ(ミッドランド・トヨタ),佐藤が巻き込まれる.
  • ライコネンの憂鬱
    接触によりタイヤがバースト,緊急ピットインを行ないコースに戻ったライコネン.しかしその周タイヤバリアに接触.今年のマクラーレンとライコネンの憂鬱は晴れない.
  • リウッツィ(トロロッソ・コスワース)スピンオフ,セーフティカー介入
    マッサ-M.シューマッハのフェラーリの1-2編隊走行がアロンソとの差を広げかけていた13周め,リウッツィが1コーナーで挙動を乱しスピンオフ.レーシングライン付近で亀の子状態で動けず非常に危険な状況となりセーフティカーが介入.フェラーリのマージンはチャラに.
  • ここで上位陣ピットイン
    セーフティカーの介入により上位陣が続けざまにピットへ.マッサとM.シューマッハは同時にピットイン,M.シューマッハはマッサの作業終了を待つべく縦列駐車.その間にアロンソがピット作業終了.目の上のコブ,M.シューマッハを交わし2番手にポジションを上げる.今回のM.シューマッハに運は無かった….つか,なんでマッサのピットを1周遅らせなかったんだろうか,マッサには悪いけど.
  • コース上のいたるところでバトルが発生
    17周め,セーフティカーがピットに戻りリスタート.周回遅れが絡んでいる状態のスタートでマッサ-アロンソ-M.シューマッハの順位に変動は無し.スタート直後の混乱でシャッフルされた各車が,セーフティカーの影響で一気に差がつまりコース上のどこかでバトルが行なわれる見ているほうには痛快な展開に.オーバーテイクあり,差し返しあり,やはりイスタンブールは面白い.
  • M.シューマッハのミステイク
    上位3台がファステストラップを出しながらレースは進行.しかし途中M.シューマッハが名物コーナー,ターン8でコースオフ.どうにかコースには復帰するもアロンソとのギャップが大きくなってしまう.予選でも1コーナーで挙動を乱すなどここトルコではM.シューマッハのミスが多く感じられる.絶頂期(個人的にはベネトンで2年連続チャンピオンをとった1994~95年)にはこのようなことはほとんど無かったのだが….引退の文字が浮かんでくるのも仕方の無いことなのだろうか….
  • マッサ初優勝!
    マッサ,アロンソより2度めのピットインを後ろにずらし,どうにか局面打開を計ったM.シューマッハだったが結局ギャップが小さくなったのみで順位に変動は無し.そしてそのままチェッカーへ.マッサは67戦めで初優勝,おめでとう.2位,3位は隊列変わらずアロンソ,M.シューマッハ.以下バトン(ホンダ),デ・ラ・ロサ(マクラーレン・メルセデス),フィジケラ,R.シューマッハ,バリチェロ(ホンダ)までが入賞.完走は15台.スーパーアグリの2台は山本がスピンオフでリタイア,佐藤は接触後長時間ピットに留まり再スタート,マッサから17周遅れでチェッカーを受けたが当然ながら周回数不足.ここで投入の新サスペンションのデータ収集にはなったハズ,次に期待.

アロンソが8ポイント加算で108ポイント,対するM.シューマッハは6ポイント加算で96ポイント,その差は12ポイントに開いた.これによりここで一旦M.シューマッハの自力チャンピオンの可能性が再び消えたことになる.一応書いておくとマジックポイントは「29」.フェラーリのマシンが優勢だがこの差は…微妙だ.コンストラクターズはルノーが11ポイント加算で160ポイント,フェラーリが16ポイント加算で158ポイント.差は無いに等しい.

次戦はヨーロッパラウンド最終戦,イタリアの誇るクラシカルな超高速サーキット,モンツァでのイタリアGP.決勝日は9月10日.スタンドが真っ赤に染まるこのサーキットでコンストラクターズの逆転はあるのか?M.シューマッハはアロンソにどこまで追いつけるのか?お楽しみに.

追記:
う~ん,フジテレビの地上波でフェラーリのことを「赤」というのは分かるんだけど,ルノーを「青」っていうのは違和感があるなぁ.ルノーのコーポレートカラーは黄色だし(ルノーのディーラーの看板の色ね),フランスのナショナルカラーは確かに青だけどマイルドセブンのスカイブルーじゃなくってもっと深い青だからなぁ.ま,どうでもいいんですけどもねぇ.


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初モノ尽くしのグランプリ(2006F1第13戦ハンガリーGP) [F1]

8月6日,東欧で唯一開催されるハンガリーグランプリを回顧.今年で21回めとなるグランプリは「抜けない低速サーキット」として悪評高いブダペスト郊外の丘陵地に作られたハンガロリンクで開催されたが,この地では初めての,そして今年初めてのウェットレースとなった.ちなみにこのサーキット,抜きどころが無いのは良く言われているが,ドライバーやマシンの特性によっては一般的なオーバーテイクとは異なる方法での追い越しも見られる不思議なサーキット.これまでも後方からの逆転劇が何度か見られたのも事実なのだ.結果は皆さんご存知のとおりだと思うが,一応自分の中での決まりごとのようなものなのでまとめてみたい.

  • ライコネン,2戦連続PP獲得
    まずフリー走行.ここで2つの重要な出来事が発生する.ひとつめはポイントリーダー,アロンソ(ルノー)の危険走行.ドーンボス(レッドブル・フェラーリ3rd)にふさがれる形となったアロンソはホームストレートでの追い越しの際に手を挙げて怒りを見せる,だけならばよかったのだがその後がいけない.マシンを幅寄せし,1コーナー途中で急減速する危険行為を犯してしまう.結果,予選タイムに2秒加算のペナルティ.続いてランキング2位のM.シューマッハ(フェラーリ),こちらは赤旗中断中にアロンソ,クビカ(ザウバーBMW),クルサード(レッドブル・フェラーリ)を追い越してしまい,こちらも予選タイムに2秒加算のペナルティとなり非常に締まりが無く,ダーティな予選を迎えることになった.
    予選第1セッション,第2セッション進出を目指すスーパーアグリの2台だが山本(スーパーアグリ・ホンダ)が22番手,佐藤(スーパーアグリ・ホンダ)がアルバース(ミッドランド・トヨタ)の上を行くに留まり20番手となる(最終的にはスピード(トロロッソ・コスワース)のペナルティに伴い19番手となった).マシンがSA06に進化し他チームのマシンを喰えるのは大きな進歩だがもう1ランク上を目指して欲しい.
    第2セッション,ここでチャンピオンシップを争う2人がペナルティの影響をモロに受けノックアウト.アロンソが16番手,M.シューマッハが12番手.ヴィルヌーブの代役でここがデビュー戦となるクビカが見事に最終セッションに進出する.向えた最終セッション,コンストラクターズタイトル獲得を目論む2チームのセカンドドライバーの明暗がくっきり分かれた.フィジケラ(ルノー)は8番手,一方のマッサ(フェラーリ)はフロントロウを獲得,2番手となる.ホンダの2台はバリチェロが3番手,バトンが4番手と好調ぶりをアピール(ただしバトンはエンジン交換のため14番グリッドからのスタート).ポールポジションは多分ここも燃料搭載量を少なめにしているライコネンが2戦連続で獲得することとなった.
  • 雨中のスタート,大混乱
    ウェットレースとなった決勝.非常に混乱が予想された.スタート時は路面に水が浮いている箇所がある状態.フォーメーションラップでデ・ラ・ロサ(マクラーレン・メルセデス)がスピン(コースには復帰)するあたり波乱を予感させる.シグナルが消えてスタート.ライコネンはスムーズに飛び出しホールショットを獲得.マッサはあっさりとバリチェロ,デ・ラ・ロサに交わされ水煙を被るハメに.中段ではM.シューマッハとアロンソが絶好のスタートを決め1周めコントロールラインをそれぞれ4番手,6番手で通過.ヴィルヌーブのいないこのレース,チャンピオン経験者はこの2人だけ,恐るべし!残念なのは山本,スタート直後の1コーナーでエンジンがストール.2戦連続でレースができなかった.
  • ミシュラン勢優勢
    ウェットレースになるとブリヂストンと言っていたのは今は昔.序盤はミシュラン勢の攻勢が続く.アロンソもあっさりとM.シューマッハをパス.一気に2番手まで上昇する.多分もっと酷い状態,所謂エクストリームウェットを使用しなくてはならない状況になると状況は変わるのかもしれないが….ミシュランのウェットタイヤの進歩に少しびっくり.アロンソはライコネンのピット作業に伴い18周めにトップに立ちマージンを築き始める.
  • M.シューマッハ,フィジケラと接触
    アロンソがトップに立つ少し前,タイヤに悩まされるM.シューマッハは激しくフィジケラに突付かれる形に.そして17周め,遂に1コーナーでフィジケラがM.シューマッハをパス.ラインをクロスさせ挽回を図るM.シューマッハだがそこでフィジケラと接触.フロントウイングを破損し後続車両にガンガン抜かれ,ピットインを余儀なくされる.なおフィジケラはその後あっさりスピンオフしてリタイア.仕事しようよ,フィジコ.ピット作業後M.シューマッハは屈辱的なことにアロンソにラップされてしまう.
  • ライコネン追突!セーフティカー登場
    ピット作業終了後アロンソから離された2番手を走行していたライコネン,26周めに周回遅れのリウッツィ(トロロッソ・コスワース)に追突,宙を舞う.ウォータースクリーンが酷い状況では無く,単純に両者のボタンの掛け違いによるアクシデント,当然両者リタイア.コース上にはデブリが散乱しセーフティカーが導入される.これをきっかけに多くのマシンがピットイン.アロンソも1回めのピット作業を行なう.これによりどうにか同ラップに戻しギャップも詰まるM.シューマッハ,ラッキー.
  • 中盤戦,最速のマシンは何?
    セーフティカーは32周めにピットに下がりレース再開.路面状況が回復傾向となる.この状況下他の車より2~3秒速いタイムで周回する車が2台.その2台は2番手走行のバトンとM.シューマッハ.M.シューマッハは順位を回復し,バトンはアロンソに急接近!
  • ついにアロンソにメカニカルトラブル発生!
    バトンはアロンソを追い掛け回すが46周めのピットインで一旦休戦.アロンソも再度戦闘体勢を整えるべく51周めにピットに入る.作業は順調に行なわれたように見えたが…マシンが挙動不審.右リアタイヤのナットが飛んでしまいまっすぐに走ることができない!苦しみながら1コーナーを通過するも,2コーナーでコントロール不能に陥りコースオフ.アロンソ今期初リタイア,当然今期初ノーポイント.
  • バトン,ぐんぐんマージンを作る
    前に何も無くなったバトン,ここでプッシュし大きなマージンを作る.終盤,ドライタイヤに履き替えたマシンが好タイムを出すも,2番手以下ははるか後方,冷静にピットに入りドライタイヤに履き替える.余裕を持ってトップでコースに復帰.
  • M.シューマッハ,ギャンブル失敗
    中盤戦にゆっくりとだが確実に順位を上げてきたM.シューマッハ.2位を走行.しかし履いているタイヤはインタミディエイト,すでに溝は無く画面でもはっきり分かる消しゴム状態のタイヤ.ドライタイヤに交換しているデ・ラ・ロサに激しく攻め立てられ,抵抗するも虚しく交わされてしまう.さらにその後方からハイドフェルドが忍び寄る.今度はほとんど抵抗できずに交わされる.しかもその際にハイドフェルドと接触.サスペンションのロッドを破損し万事休す.残り3周でストップ.
  • バトン初優勝!そして第3期ホンダも初優勝!
    2番手のデ・ラ・ロサに充分すぎるマージンを持っていたバトン,磐石の態勢でファイナルラップに.そして遂に来た初優勝!バトン,おめでとう.そして何よりホンダが2000年に復帰してから長い,ホントに長~い時間が掛かったが第3期初優勝!こちらもおめでとう,つかライブタイミング見ながら涙出そうになりました,いやホント.2位にデ・ラ・ロサ,3位にハイドフェルド,なんか新鮮なポディウムだ.以下4位バリチェロでホンダダブル入賞,5位に荒れたレースは本当にしぶといクルサード,6位R.シューマッハ(トヨタ),7位にクビカがデビューレース入賞,と思ったのだが残念ながら車両重量の規定違反で失格となり,7位にマッサ,8位にクビカ失格のおかげでどうにかポイントを拾う形となったM.シューマッハ,以上が入賞.最終的にクビカを除き11台がチェッカーを受け,13台が完走扱いとなった.

久々に大荒れのグランプリとなり,日本人としては祝福すべきグランプリとなった.このように路面状況がコロコロと変わり,各車がどのようなラップを刻んでいて誰がコース上で速いのか分かりにくいレースの場合,ライブタイミングがあると非常に便利なことを痛感した.というか,地上波見ただけでこの記事は書けない.…といういことは裏を返すと結果を知った上で地上波を見た訳だ,私は(涙).この記事の中で「初」というコトバが多く出てきたので折角なのでいろいろ過去を振り返ってみよう.

まずドライバー関連,バトン.こちらは当然初優勝.ちなみに114戦めでの優勝はバリチェロの125戦め,トゥルーリの119戦めに続く3番めの遅さ.優勝まで時間が掛かったが大成したドライバーというとハッキネン(99戦め),マンセル(75戦め)あたりが挙げられるか.このまま優勝できずにフェイドアウトするのかなぁ…などと個人的に感じていたので,まぁ良かっただろう.ここから一皮剥けるのか,それともアレジのように何も変わらないのか,そこが今後のバトンに対する評価の分かれ目だろう.次,デ・ラ・ロサ,マクラーレンのスーパーサブ化していたが今回の2位が過去最高位で初表彰台.苦労人で日本にも縁のあるドライバーなのでうれしい限り.そういや地上波で解説していた森脇さん,感無量だろうなぁ,ホンダの中本さんとは同期の桜だし,デ・ラ・ロサが全日本F3000でチャンピオンになったのも森脇さんのチームだったし.

では次,ホンダ関連ネタを.まず日本製エンジンの優勝は1999年第13戦イタリアGPのジョーダン・無限(H.H.フレンツェン)以来7年ぶり.ホンダエンジンの優勝ということになると1992年第16戦オーストラリアGP(G.ベルガー:マクラーレン・ホンダ)以来14年ぶり,ちなみにこれは第2期ホンダの最後のグランプリである.オールホンダでの優勝ということになると,何と1967年第9戦イタリアGP(J.サーティース)以来となるから実に39年振りということになるのだ!このようにデータを見ると実に今回のホンダの優勝が感慨深い物であるか,お分かり頂けるだろうか.私的な意見で恐縮だが,昨夜は1991年にマツダが日本車として初めてルマン優勝(V.ヴァイドラー/J.ハーバート/B.ガショー)を果たしたとき以来の感激を覚えた.いやぁ,モータースポーツって本当にいいもんですね.

あとこのレースの尋常では無い荒れ方.このような荒れ方をしたレースというとリアルタイムで見た上での感想になってしまうが,1999年第14戦ヨーロッパGP(ニュルブルグリンク:ウェットからドライに変わったGP.PPからスタートのフレンツェン(ジョーダン・無限)が序盤レースを支配するもリタイア.その後トップに立つマシンが続々と姿を消し上位陣総崩れ,結局ハーバート(スチュワート・フォード)が優勝,2位にトゥルーリ(プロスト・プジョー),3位にバリチェロ(スチュワート・フォード)となったレース.完走10台)や1996年第6戦モナコGP(モンテカルロ:雨の中オープニングラップで大混乱.トップ走行のヒル(ウィリアムズ・ルノー),アレジ(ベネトン・ルノー)がトラブルでリタイア,O.パニス(リジェ・無限)が優勝.完走7台,チェッカーを受けたのが確か…4台だったっけ?)あたりに匹敵するかな.

まぁ昔話はこのくらいにして,チャンピオンシップの行方を.アロンソ,ノーポイント,M.シューマッハがなんとか拾った1ポイントで10ポイント差に.M.シューマッハに自力優勝の可能性は残った.とはいってもアロンソが連続リタイアしようもんなら1発で追いつくのだが.コンストラクターはフェラーリが3ポイント詰めて7ポイント差,これはもう差が無いのと同じだろう.

グランプリは一旦夏休みに入りしばらくテスト禁止.次のレースは3週間後のイスタンブールでのトルコGP.最近できたサーキットの中では特性の違うサーキットであり,勢力図が一気に変わる可能性がある.まぁ,こちらもホンダ優勝で熱くなったのを一旦クールダウンする気持ちでゆっくりと待とう.では3週間後をお楽しみに!


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翼をもがれた蒼いヤツ(2006F1第12戦ドイツGP) [F1]

7月30日,ドイツの黒い森に浮かぶサーキット,ホッケンハイムリンクで開催されたF1世界選手権第12戦ドイツGPを回顧.北米ラウンドから続くフェラーリの好調だが,バカンス前の2連戦,どのようになるのか?また,今回は物議をかもしている「マスダンパー問題」にもちょろっと触れておきたいと思う.

  • ようやくライコネン,今期初のポール獲得!
    まず第1セッション,1コーナー立ち上がりでスピード(トロロッソ・コスワース)のクラッシュで赤旗中断.これでノックアウト確定,つか彼にとってはノックアウトされるのがデフォルトか…(失礼).ま,インタビューでアメリカンジョークを飛ばしてたくらいだから大事じゃなくて何より.ここドイツで新車SA06を投入したスーパーアグリとここで実戦デビューの山本左近(スーパーアグリ・ホンダ).ところが山本はフリー走行で最終コーナー立ち上がりでクラッシュしF1の手荒い洗礼を受けてしまう.当然予選は旧型のSA05,走行した車の中で最も遅いのは仕方ないか.一方のチームメイト,佐藤(スーパーアグリ・ホンダ)は新車SA06での予選アタック.これまで前を行くミッドランドに数秒差をつけられる絶望的な状態だったが,ここで自力でモンテイロ(ミッドランド・トヨタ)の前に出た.これからはテールエンド争いではあるが,ミッドランド対スーパーアグリのバトルが見れそうでそれはそれで少し楽しみ.
    そしてここが地元となる各ドライバー・チームの予選状況を….ザウバーBMWは元気なく第2セッションでノックアウト.結局昨年タッグを組んでいたウィリアムズ・コスワースの2台にお付き合いする形となった(そうだ,ロズベルグ(ウィリアムズ・コスワース)もドイツ国籍だった.フライングフィンのオヤジのイメージが強いからなぁ.どうでもいいですけどニコ,かわいいようで彼の写真に落書きでヒゲを書いてみてください.ケケになります).ファクトリーがドイツにあるトヨタ.ちなみに来年はウィリアムズにエンジンを供給.友人とネタで話していた「ウィリアムズ・レクサス」が本当に実現してしまうのか.こちらは地元R.シューマッハ(トヨタ)が7番手,トゥルーリ(トヨタ)が第2セッションでノックアウト.エンジン交換で20番手スタート.ここのところ絶好調のM.シューマッハ(フェラーリ),ここ地元ドイツでも絶好調.2番手フロントローを獲得.しかしポールをとったのはやっぱり地元のメルセデスエンジン搭載のマクラーレンのライコネン(マクラーレン・メルセデス).軽いタンクでのアタックを見事にまとめ今期初のポールポジションを獲得.ポイントリーダーのアロンソ(ルノー)は予選5番手のチームメイト,フィジケラ(ルノー)にも遅れをとる予選7番手.マスダンパー禁止が効いたのかルノーに絶好調時の速さは無かった.
  • スタート,後方で混乱発生
    シグナルのブラックアウトで各車スタート.上位陣は4番手スタートのバトン(ホンダ)をルノーの2台がパス.しかしアロンソはコース一番の抜きどころヘアピンでアウトに膨らみバトンに差し返されてしまう.そのヘアピンでは後方でR.シューマッハとクルサード(レッドブル・フェラーリ)の接触が発生.ロズベルグは単独クラッシュ.後方大混乱.しかしセーフティカーの介入は無く,黄旗振動で処理が行なわれレース続行.
  • SA06の処女航海は…
    山本は修理したSA06で出走すべくピットスタートを選択するも駆動系のトラブルでスタートに間に合わない.ようやくスタートしたかと思うとレーススピードには程遠いスピードで1周でピットイン,リタイアとなる.佐藤は1周めの混乱もうまくすり抜けモンテイロを押さえまくる.38周めまで粘り続けるもギアトラブルでストップ.2台リタイアとなった.連戦後はテスト禁止期間があるため,レースでデータをかき集めたいところだが,初戦だし仕方が無いのか.
  • ライコネンの作戦
    ホッケンハイムでは2回ストップ作戦に対して3回ストップ作戦のマージンが少ない(というかピット回数が増えると当然リスクは高くなる).そんな中,予選で明らかに軽いタンクでアタックしたライコネンの作戦は当然3回ストップ.1回めのピットはなんと10周め,早っ!しかし若干作業が遅れてしまいコースに戻るとバリチェロの後ろ8番手.作戦とは言えかなり苦しい感じがする….
  • ルノーは終わってしまうのか!
    スタートでこそルノーに先行を許したバトンだが結局フィジケラも交わし終始ルノーの前方を走行.これまでだと「バトン・レーシングスクール」状態になるところだが,ルノーはホンダにもついて行けない状況.結局最後まで速さは無くチームオーダー発動でアロンソが5位,フィジケラが6位でフィニッシュ.そんなにえらいのか,マスダンパー.
  • ライコネンvs.バトン
    2回ストップのバトンに対して荊の3回ストップのライコネン,必死に追い上げピットに入りまた追い上げる.3位で向かえた最後の3回めのピットはなんと55周め,遅っ!当然給油時間も少ないのでロスは少ないのだがバトンとの差がビミョー.コースに戻ると何とか5位のウェバーの前に入る.またまた追い上げを図るライコネンは2周後にバトンをあっさり攻略.見事3位入賞,ポディウムをゲット.
  • フェラーリ1-2フィニッシュ!
    ライブタイミングではこのままのペースだと全車周回遅れになるのでは,とまで書かれてしまったフェラーリの2台だが流石にそれは無く終盤はマシンを労わるクルージング走行.見事M.シューマッハが3連勝.マッサも2位に入りフェラーリはアメリカGPに続いての1-2フィニッシュとなった.3位が3回ストップ作戦成功のライコネン,バトン,アロンソ,フィジケラ,トゥルーリ,クリエンまでが入賞.完走は12台と厳しいグランプリとなった.

ここドイツでアロンソとM.シューマッハのポイント差は11となり,M.シューマッハに自力チャンピオンの可能性が復活した.ルノーとフェラーリの差は10.1つのグランプリでひっくり返せるところまで来た.しかしなぁ,あんなに速くかつ安定していたルノーがなぁ,こんなことになるとは.ということで「マスダンパー問題」について書いておこう.

正直「マスダンパー」がどのようなパーツなのかよく分からずググってみた.F1の記事の中,ビルの免震に関するサイトが多く引っかかる.簡単に私の脳内でまとめてみると「走行時(特にバンプ通過時やコーナリング時)のマシンの振動を軽減し,搭載したバラスト(重り)の位置を安定させることによって走行を安定させるための装置」ということで良かろうか,識者の方々.まぁ,このような装置が搭載されていても何の不思議なことでは無い.新しい技術を投入していくのもF1の魅力のひとつなんだから.ところがFIAはドイツGP直前にこの「マスダンパー」をレギュレーション違反(可動する空力付加物)として禁止した.ちなみに話をややこしくしているのがドイツGPのスチュワードで,彼は当初マスダンパーを「合法」と見なしたのだ.

さらにルノーは今シーズン開始前,マスダンパーがレギュレーションに照らし合わせて合致したものであるかをFIAにお伺いを立て,そのときには「合法」との回答を得ているのだ,主催者たるFIAから.ここまでくるとさすがに今回の急なレギュレーションの解釈変更には疑問を持ってしまう.ザウバーBMWの「バンザイ付加物(通称ペトロナスタワー)」も禁止されたが,こちらはかつてXウイングが危険(実際アレジがXウイングをピットでホースに引っかけて怪我人が出かけたこともある)でなおかつカッコ悪い(これ何気に重要!)という理由で納得もできるのであるがなぁ.特に危険が伴うものでもない新技術なのに,昨日シロだったものが今日はクロってのはどうかなぁ,と思うぞ.

1994年,セナが亡くなり,M.シューマッハが初めてチャンピオンを獲得した年のことである.当時ベネトン・フォード(今のルノーの前身)に在籍していたM.シューマッハは彼自身のミスはあったにせよ2戦出場停止という重いペナルティを受けた.このときはセナが亡くなった直後のグランプリで安全性に関するレギュレーションが一気に変わり,そのことに抗議をしたベネトンの監督であるフラビオ・ブリアトーレへの当てつけとM.シューマッハ独走状態のグランプリを盛り上げるというのがミエミエな嫌~な出来事だったのを覚えている.実際,鬼のいぬ間に悪魔…もといデーモン・ヒルが連勝を飾り,最終的にはM.シューマッハとヒルのポイント差はたった1ポイントとなったのだ.なんか今回もそのときと同じようなキナ臭さが漂っていて,非常に嫌な感じがする.

ルノーの今年の速さを支えていた要素のひとつにマスダンパーがあったのは多分事実であり,実際禁止されたとたんに今回のような結果となってしまった.ルノーほどのワークスチームであればテストをこなせばある程度速さは取り戻せるとは思うのだが,間もなくテスト禁止期間がやって来る.こんな形でポイント差が詰まることになろうとは….

ぐだぐだと書いてきたがF1の夏休み前の最後のグランプリは連戦となるハンガリーGP.フェラーリへの追い風は続くのか,ルノーは一体どうなるのか.決勝は8月6日.また回顧するのでよろしく!では.

追記:
勘違いされたら困るから書いておきますがデーモン・ヒルは私の好きなドライバーの一人です.悪魔なんて書いたけど.


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