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ルノーの甘いワナ(2006F1第11戦フランスGP) [F1]

7月16日,フランスの田園地帯にあるマニクール・サーキットで行われたフランスGPを回顧.前戦アメリカGPで1-2フィニッシュを果たしたフェラーリ.ここフランスでも好調を持続できるのか?では早速.

  • フェラーリ2戦連続でフロントロウ独占
    今回から若干予選形式が変わったのだが,その点に関してはさほど大きな違いがないので省略.ここでもM.シューマッハ(フェラーリ)とマッサ(フェラーリ)が好調を持続し,見事フロウトロウをフェラーリが独占.アメリカGPに関しては,インディカーやチャンプカーにもタイヤ供給の経験のあるブリヂストンがインディアナポリスにあったタイヤを持ってきたというのが結果に繋がったものと思うが,ここでもかという感じ.とくにマニクールはμが高く滑らかな路面でかつ低速コーナーが多いということで,全く北米ラウンドとは性質の違うコースなのだが,ここにあったタイヤをよく開発できたな,というのが感想.その証拠に今期からブリヂストンタイヤに履き替えたトヨタに関してもトゥルーリ(トヨタ)5番手,R.シューマッハ(トヨタ)6番手と好位置につくことができている.ブリヂストンとしてはミシュランの地元でいいところを見せたいんだろうなぁと邪推,つかミシュランは今年限りでF1から撤退するので,勝ち逃げは許さん,といったところか.
    とはいうもののアロンソ(ルノー)は相変わらず安定していて3番手を獲得.マクラーレンはシーズン終了を待たずして古巣なのに新天地(CART時代に所属したチップ・ガナッシに移籍,行なうレースは箱車のNASCAR)に去っていったモントーヤのショックもあるのか,ライコネン(マクラーレン・メルセデス)が6番手,デ・ラ・ロサ(マクラーレン・メルセデス)が8番手.そうか,トヨタか見事に3強に割り込んだ訳か.ホンダは両者とも不甲斐ない予選結果,バリチェロ(ホンダ)14番手,バトン(ホンダ)が19番手…今期序盤のバトンの連続フロントロウは一体なんだったのだろう….斬新すぎる空力パーツ(ドライバーの前というかフロントのサスペンションの付け根付近でバンザイをしているやつ)で注目されたザウバーBMW.初日フリー走行でクビカ(ザウバーBMWサードドライバーがトップに立ったが予選はいつものとおり.あれって効果あるのかなぁ…視界を遮って邪魔だと思うのだが.残念ながら佐藤(スーパーアグリ・ホンダ)はセッティングが決まらないまま予選に望み22番手最後方からのスタートとなった.
  • スタート!上位陣は粛々と…あれ佐藤は?
    レッドランプが消え各車スタート.フェラーリ2台とアロンソはそのままの体制で1コーナー~エストリルコーナーを通過する.アロンソが仕掛けるも順位が変わるまでには至らない.大きなアクシデントは無かったが,後方で寂しく佐藤がレースを終える.ダミーグリッドを離れるときから駆動系トラブルを抱えてるっぽかったが,結局クラッチトラブルということで1周もできないのは辛いなぁ….スーパーアグリは次戦ドイツGPから新車(SA06)が投入予定.期待しておこう.
  • マッサがんばる
    フェラーリはマッサができる限りアロンソを押さえ,M.シューマッハを逃がすというファーストドライバーを勝たせるお手本のような作戦.M.シューマッハが速いのかマッサが遅いのか,まぁそれは置いておいて1回めのピットストップまではこの状態が続いていく.
  • ピットストップ1回め
    マッサが16週めにピットイン,特にトラブルこともなく作業消化.次の周にアロンソがピットに,コチラも問題なし.1周の間に2位浮上を狙うかと思ったがごくごく普通にアロンソの真後ろに戻る.これが実はルノーの作戦だったとは…それは後に気付くこと.次の周にM.シューマッハがピットイン,問題なし.この間2回ストップを予定していたトヨタの2台が一時的に1-2フォーメーションを築く.トゥルーリ,R.シューマッハともにラップリーダーを記録.やればできるじゃんと思ったが…
  • トヨタ,ピット作業で失態
    問題はR.シューマッハの1回めのピット作業.左リアタイヤの交換に手間取り10秒以上のタイムロス.もったいない….ホンダがピット作業を失敗するのはもう見慣れてしまったが(と書かれるホンダもなんだかなぁだが…),トヨタが表彰台を狙ってきたこのGPでやってしまうとは.結局R.シューマッハはこのロスタイムが響き4位でフィニッシュ.本人曰く,あのロスが無ければ表彰台はあった,まさにそのとおり.一方のトゥルーリはピット作業に問題もなく上位を走行するもトラブルでリタイア.マシントラブルが発生する方のピット作業がうまくいき,そうでない方の作業に失敗する.レースって難しい.
  • アロンソのワナ
    32周めのライコネンのピットインをきっかけに各車2度めのピット.34週め,マッサ,ピットイン.それから4周遅れてM.シューマッハがピットに.フェラーリ勢は給油時間から3回ストップであることが分かる.さらにM.シューマッハから遅れること4周の42週めアロンソがピットイン.給油時間が長い!ここでアロンソの2ストップ作戦が明確になる.だからマッサに強烈なプレッシャーは与えてなかったのか.マッサはそのワナにかかり3回めのピットストップで3番手に後退してしまうのだった.
  • M.シューマッハ連勝!でも
    十分なマージンを持っていたM.シューマッハ,最後はクルージングを見せ余裕を持っての優勝で連勝.でも,追いかけるアロンソが2位に入り,連勝にも関わらずポイント差は2ポイントしか詰まらない.3位にマッサ.2ストップにできたかも,と言うのは簡単だが,タイヤのことを考えると作戦的に3ストップで私は正解だったと思う.マッサがプッシュしなかったのかできなかったのか,アロンソに対しある程度のマージンを取れなかったのが悔やまれるところ.以下,R.シューマッハ,ライコネン,フィジケラ,デ・ラ・ロサ,ハイドフェルド(ザウバーBMW)までが入賞.16台が完走となった.

先ほども書いたがM.シューマッハとアロンソの差は2ポイントしか詰まらず17ポイント差となった.前回書くのを忘れていたが,実は今のところM.シューマッハの自力チャンピオンの可能性は消えている.M.シューマッハが残り7戦を全て勝ったとして149ポイント,対するアロンソは全て2位でも152ポイント.野球風に書くとアロンソのマジックポイントは54である.つまりはマッサがアロンソの上で入賞しない限り,アロンソはM.シューマッハを無理して追わなくてもチャンピオンになってしまうのだ!ということでセカンドドライバーの重要性が今後クローズアップされて来る,と私は思うのだ

次戦,第12戦はドイツの黒い森の中にぽっかり浮かんだホッケンハイムリンクでのドイツGP.高速サーキットだったのは今は昔.タイトなコーナーの多いテクニカルサーキットである.シューマッハ兄弟だけでなくハイドフェルド,メルセデス,BMWにとっても地元GPとなる(トヨタにとっても準地元).今回はルノーの地元でミシュランまでもをうっちゃったM.シューマッハ・フェラーリ・ブリヂストンのパッケージだがドイツGPではどうか?決勝は7月30日,お楽しみに!


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ターニングポイント?(2006F1第10戦アメリカGP&第9戦カナダGP) [F1]

7月2日,アメリカンモータースポーツの聖地・インディアナポリスモータースポーツウェイで行なわれたアメリカGPを回顧.前週に行なわれたカナダGPについて回顧していないので,それについても若干触れたいと思う.この北米ラウンド,カナダGPが終了すると今年の前半9戦が終了.1週間というタイトなスケジュールで行なわれるアメリカGPが後半戦のスタートとなる.ここまではアロンソ(ルノー)が憎たらしいまでの完璧なシーズンを送っているが,この北米ラウンドはターニングポイントとなるのか?

  • カナダGPはいつものように
    カナダGPの行なわれるジル・ヴィルヌーブサーキットは普段は公園の周遊道として使われている半公道サーキット.直線とそれを繋ぐシケイン,ペアピンの組み合わせられたレイアウトのため非常にブレーキに厳しいサーキットである.また比較的高速なサーキットにも関わらずコースとウォールの距離が少なく,セーフティカーが介入することが多く,レース結果に大きく影響を与える.
    予選はアロンソ(ルノー)がPPを獲得.フィジケラ(ルノー)が続きフロントロウを独占.アロンソを追いかけるM.シューマッハ(フェラーリ)は5番グリッド,比較的燃料を搭載している模様.マクラーレンのライコネン(マクラーレン・メルセデス)はアロンソの真後ろ3番グリッドからのスタートとなる.
    決勝はドライコンディション,太陽が照りつけ路面温度も上がり気味.レーススタート.2周め,モントーヤ(マクラーレン・メルセデス)とロズベルグ(ウィリアムズ・コスワース)が接触.ロズベルグ車はウォールに激突するが幸い無傷.このクラッシュでセーフティカーが介入.
    セーフティカー走行中にフィジケラのスタートに関し審議が行なわれていることが画面上に表示される.結局スタートで順位を落としたフィジケラにジャンプスタートの裁定が下り,ドライブスルーペナルティが加えられる.レース後「ジャンプスタートだったから意識して順位を落としたのにペナルティを受けるのはおかしい」と発言….もうベテランなんだからフィジコ,大人になろうよ.ジャンプスタートと順位を落としたことを結びつけてペナルティが無くなる,なんてこと聞いたこと無いわ!つか昔ベルガー(現トロロッソ共同オーナー)がここでジャンプスタートで1分のタイム加算のペナルティを受けたことを思い出した.セーフティカー解除後はアロンソとライコネンの息の詰まる接近戦が繰り広げられる.
    1回めのピットストップ,上位陣で最初に飛び込んだのはトップを行くアロンソ,作業に問題はなし.次ライコネン.右リアタイヤのタイヤ交換に手間取ってしまい10秒以上タイムをロスしてしまう.M.シューマッハは前を行くトゥルーリ(トヨタ)を交わしタイムを上げ追い上げる.かなり1回めのピットストップを遅らせ33周めまで引っ張った.
    レース中盤から路面にタイヤかすが目立つようになり各ドライバーが挙動を乱したり,コースアウトが増えてくる.そんな中行なわれた2回めのピット作業,またまたライコネンにトラブル発生,なんとエンジンストール.またここで10秒以上のロスタイム.1回めはピットクルーのエラー,2回めは自分のエラー,合わせて20秒以上のタイムロス.これでは勝てるレースでも勝てない….マクラーレンにツキは無し.一応ライコネンはこの時点ではきわどくコースに戻りM.シューマッハの直前に戻る.
    さらに荒れる路面の中でクラッシュしたのが地元GPのヴィルヌーブ(ザウバーBMW).ウォールにヒットし2回めのセーフティカー介入.この時点で残り10周,超スプリント戦の様相を呈する.残り7周でセーフティカー解除,超スプリント戦スタート.再スタート直後は何事もない.が,残り2周いつの間にかM.シューマッハがライコネンを交わしていた!!結局そのままゴール.
    結果,優勝アロンソ,2位M.シューマッハ,3位ライコネン,以下フィジケラ,マッサ(フェラーリ),トゥルーリ,ハイドフェルド(ザウバーBMW),クルサード(レッドブル・フェラーリ)までが入賞.トゥルーリは今期初ポイント,クルサードは終盤バトン(ホンダ)を交わしてのポイントゲットとなった.佐藤(スーパーアグリ・ホンダ)はモンテイロ(ミッドランド・トヨタ)の前を走るも残り2周でクラッシュ,リザルト上は15位シンガリ完走扱いとなった.
    前半戦を象徴するような結果となってしまったカナダGPであった.
  • アメリカGP予選,フェラーリ絶好調
    インディアナポリス・モータースピードウェイはインディ500の行なわれるオーバルコースが有名だが,F1ではインディとは逆の時計回りで,アクセルべた踏みのオーバル部分とタイトなコーナーの続くインフィールドの組み合わせでレースが行なわれる.全くタイプの違う2つのサーキットがひとつになったようで非常にセッティングが難しい.なおかつターン11の立ち上がりからターン12でオーバルに入りターン13(インディでのターン1)を抜けホームストレートにわたる長い区間はエンジン全開.当然エンジンにもタイヤにも厳しいサーキットである.
    昨年はたった6台で争われたアメリカGP.今年はきちんとしたレースで勝ちたいのはM.シューマッハだろう.予選はそのフェラーリが絶好調.M.シューマッハがPP,2番手マッサで見事フロントロウを独占.現在ポイントランキングトップのアロンソはチームメイトのフィジケラとバリチェロ(ホンダ)にも遅れをとり5番グリッドからのスタートとなる.マクラーレンは燃料を積んだかライコネンは9番手,モントーヤは第3セッションに進めず11番グリッドだが…あまり燃料のこと関係ないな….
    ここでは下位グリッドで異変発生.トゥルーリ,ロズベルグといった上位陣のメンバーが第1セッションで姿を消している.そんな中佐藤は第2セッションには進めなかったものの上の2人とリウッツィ(トロロッソ・コスワース),モンタニー(スーパーアグリ・ホンダ)を押さえ18番グリッドを獲得.他者のトラブルもあったが佐藤が好タイムを出しいつもより上位のグリッドを得たのは事実.スーパーアグリのニューマシンの投入はドイツGPからとなったが,期待して良いのではないか,と個人的に思っているし,もっとミラクルを魅せて欲しいと思う.
  • スタート,一気にマシンが消えていく…
    レッドシグナルが消え各車スタート.最前列ではマッサがM.シューマッハを交わし見事ホールショットを獲得.アロンソもフィジケラ,バリチェロを交わし3番手に上がる.しかし後方で多重事故が発生,原因はライコネンにモントーヤが追突する同士討ち.そこから1コーナーのあちこちで接触が発生.中でもハイドフェルドは横方向に3回転する大クラッシュ.本人曰く「3回転は楽しい」とジョークを飛ばしたらしいが,無事で何より.このクラッシュでなんと7台(ライコネン・ハイドフェルド・モントーヤ・ウェバー(ウィリアムズ・コスワース)・スピード(トロロッソ・コスワース),クリエン(レッドブル・フェラーリ),モンタニー)が現場に取り残されセーフティカー介入.何とかピットに戻ることができたバトンもリタイアとなる.マクラーレン,スタート後10秒で全滅….速さが戻ってきたと思ったら今度はアクシデントかよ,トホホ.
  • 再スタート後もトラブルは終わらない
    7周めにセーフティカー解除.ところが今度はモンテイロ(ミッドランド・トヨタ)と佐藤が接触.佐藤はその場でマシンを降り,モンテイロはピットに戻るもリタイアとなる.レースはフィジケラがチームメイトのアロンソを交わし再度3番手に復帰.しばらくこう着状態が続く.
  • フェラーリ独走
    フィジケラが必死にフェラーリを追いかけるがその差は縮まらない.フェラーリの2台は1回めのピットイン,M.シューマッハを迎え入れ,続いてマッサを迎え入れる.両者ピット作業を終えると大人の理由でM.シューマッハとマッサの順位が入れ替わっているのであった.
  • トゥルーリ1ストップ作戦成功
    前戦カナダGPでようやく今期初のポイントを獲得したトゥルーリ.アメリカGPでのピット戦略はなんと1回ストップ作戦.ピットスタートにより結果的にクラッシュを避けることができ,自分のペースで走ることができたことも幸いしたのだろうが,表彰台目前の4位入賞は立派.ヨーロッパに戻ってもこの好調を維持できるのか?
  • 跳ね馬2度めの復活,アロンソ表彰台を逃す
    結果,異次元の速さでトップを快走したM.シューマッハがポール・トゥ・ウィン達成.マッサも2位に入りフェラーリの1-2フィニッシュ!カバリーノ・ランパンテ(跳ね馬)は2度蘇る.3位はフィジケラ,アロンソとしてはフェラーリを喰って欲しかったところだろうが,ここまでが精一杯といった感じ.4位が前述の1ストップ作戦的中のトゥルーリ.アロンソが今期初めて表彰台を逃す5位.以下バリチェロ,クルサード,リウッツィまでが入賞.9位のロズベルグまでが完走.近年稀に見る超サバイバル戦となった.

ここまでのポイントを計算してみよう.トップのアロンソが88ポイント,追いかけるM.シューマッハが69ポイントで19ポイントのビハインド.3位にフィジケラ43ポイント,フィジケラにランキング3位を譲ったライコネンが39ポイント.実質アロンソとM.シューマッハの2人にチャンピオン争いが絞られたと言えるだろう.たらればの話だが今後,もしアロンソが全て5位でフィニッシュしたとしよう.すると合計120ポイント,M.シューマッハそれに辿り着くためには5勝必要.こう書くと難しいように感じるが,アロンソが1発リタイアしM.シューマッハが優勝すると一気に10ポイント差が詰まる訳で.このポイント差,大きいと見るか小さいと見るか,微妙なところである.コンストラクターはルノー131ポイント,フェラーリ105ポイント.この26ポイント差も微妙だよなぁ.フェラーリが本当に復活していたら十分射程圏内だが….

次戦,第11戦はヨーロッパに戻りにマニクール・サーキットで行なわれるフランスGP.いわゆるミッキーマウスサーキットであるためコーナリングが重要となる一戦.決勝は7月16日.カバリーノ・ランパンテは再び頂点に立つことができるのか?


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F1北米ラウンド,一括してレヴューするようにします [F1]

えーいつもF1の記事をご覧頂きありがとうございます.

大変私事で恐縮なのですが,F1カナダGPの記事を来週行なわれるアメリカGPのレヴューと一緒に書かせて頂きます.ま,大したことでは無いですが,F1とは全く関係の無いサイトを立ち上げる最終準備をしておりますので,ご了承下さい.

その代わりといえばアレですが,前半戦の総括みたいなものも少し書くようにします.ということでよろしくお願いします.


誰か奴を止めろ(2006F1第8戦イギリスGP) [F1]

6月11日,イギリス・シルバーストーンサーキットで行なわれた2006年F1第8戦イギリスGPを回顧.ここを本拠地としているチームも多く,高速テクニカルサーキットのため激しいレースが行なわれることを期待していたのだが….シリーズ前半の総決算ともいえるイギリスGP,勝ったのはやっぱり…,今回はかなり軽めに振り返ろう.

  • 予選6位まで3強が占める
    予選第1セッション,ヤルノ・トゥルーリ(トヨタ)がいきなり白煙を上げノータイム.最後尾確定.トゥルーリいまだノーポイント,不幸はどこまで続くのか?次のトラブルはバトン(ホンダ).1回めのアタック終了後,抜き打ちで行なわれる車検に引っかかり2度めのアタックできずノックアウト.可能性を考えてタイムを出しておかないと…,実際モナコGPでは同じM.シューマッハ(フェラーリ)がノックアウトされそうになった訳で,…あ,でも結局最後尾スタートだったんだった.よく分からんのがウェバー(ウィリアムズ・コスワース)のノックアウト,何なんだこの荒れ方は!
    第2セッションはさほど大きなトラブルも無く,妥当な結果.最終セッション,M.シューマッハとアロンソ(ルノー)のつば迫り合いが続くが,最終的にはアロンソがポールポジション獲得.そしてここで来た!最終アタックでライコネン(マクラーレン・メルセデス)が2位に飛び込んだ.イギリスチームにとっては有利なサーキットだがマクラーレンの復調が感じられる予選だった.
  • スタート!多重接触発生
    決勝スタート,上位陣は問題なくスタートし大きなトラブルは無し.ただし後方は混乱,1コーナー先から続くマゴッツ~ベケッツ~チャペルのS字区間でスピード(トロロッソ・コスワース)とR.シューマッハ(トヨタ),ウェバーが接触.トヨタとウィリアムズの2台はエスケープゾーンにストップしてしまう.スピードはピットに戻るものの戦意消失,リタイアとなる.この接触事故によりセーフティカーが介入.4周めにリスタート.
  • 一番燃料を積んでいたのは…
    上位陣,普通にタイムを考えるとアロンソは燃料軽めなのかなぁ,マクラーレンもこのタイムだと軽いのかなぁ.などと思いを巡らしていたが,上位陣最初にピットに飛び込んだのはM.シューマッハ,ちなみに60周レースの18周め,次の周ライコネンがピットイン.あれれ,ルノーはいつ入るのかと思えば,アロンソかなり引っ張り22周めにようやくピットイン.燃料積んでポール取ってたのか…ハイ,この時点でトラブルが無い限りアロンソの優勝確定,あぁまたか….
  • 悲惨なり日本勢…
    まずはホンダから,連続フロントローを記録していたとは思えないグリッドからスタートしたバトン.ジャンプアップを決めここからという9周め,オイル噴出で炎を上げながらマシンを止めリタイア.何とか最終セッションまで生き残り6番グリッドからスタートしたバリチェロ(ホンダ),スタートに失敗し順位ダウン,レースタイムも安定せず1回めのピットストップでさらに順位を落としてしまう.次,トヨタ,R.シューマッハについては先述のとおり事故でリタイア.最後尾から追い上げを図りたいトゥルーリはじわじわ順位を上げる.中盤~終盤にかけバリチェロとトゥルーリが非常に微妙なバトルを繰り広げる.10番手争いて….せめてポイント圏内でバトルしてくれよ!頼むから!!
  • 2位と3位では大きな違いが…
    アロンソを追いかける2人のドライバー,M.シューマッハとライコネン,1回めのピット終了時は2番手ライコネン,3番手M.シューマッハの順位変わらず.2回めのピット作業が勝負のポイント.先に動いたのはM.シューマッハ,41周めにピットイン.普通に考えると後から入るライコネンの方が有利なハズ.ところが次の周ピットアウトしたライコネンの前にはM.シューマッハのマシンが!前に記事にした「1秒を隠し持つ走り」炸裂!
  • アロンソ今期5勝め,どこまで勝つ気だ!
    結局これでもかと言わんばかりの影をも踏ませぬ走りでアロンソが今期5勝め,勝率63%,表彰台獲得率100%(3位も無いので競馬で言うなら連対率100%か…).そろそろ空気読んでトラブル起きてくれないかなぁ,ルノー.2位はライコネンを交わしたM.シューマッハ,3位にライコネン,以上がポディウム.4位以下はフィジケラ(ルノー),マッサ(フェラーリ),モントーヤ(マクラーレン・メルセデス),ハイドフェルド(ザウバーBMW),ヴィルヌーブ(ザウバーBMW)までがポイント獲得.あ今気付いたけど,見事にセカンドドライバーまで1~3位と同じ順位になってるな,それだけルノーが安定して速いってことなのかなぁ.

最終的に18台完走扱い.リタイアたったの4台,その中に日本勢が2台,かな~りしょぼーんな感じである.スーパーアグリの2台は佐藤17位,モンタニーが18位シンガリ完走.北米ラウンド終了後にニューマシン投入予定のスーパーアグリ.こうした地味ながら堅実にロングランを行なうことで得られるデータの有用性は書くまでも無いだろう.新マシンに期待しよう.

次戦から2戦はヨーロッパから場所を移しての北米ラウンド2連戦,第9戦はモントリオールを流れるセントローレンス川に浮かぶ中州にある公園内周回道路をサーキットにした半公道コースのジル・ヴィルヌーブサーキット.直線とシケイン,ヘアピンで構成されたストップアンドゴーサーキット.エンジンパワーが重要であるが,ブレーキにも厳しいコース.決勝は6月25日.誰かアロンソの連勝を止めろ!


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フェラーリの大誤算(2006F1第7戦モナコGP) [F1]

5月28日,モナコ・モンテカルロ市街地コースで行なわれた2006年F1第7戦モナコGPを回顧.どこを取っても絵になる美しい市街地コースだが,エスケープゾーンはほとんど無く,一発のミスでクラッシュしてしまう危険なサーキット.雨が降ればそれはそれは凄まじいばかりのサバイバル戦になるところであるが,予選・決勝ともドライコンディション下でレースが行なわれた.

  • 予選フェラーリ2台最後方…
    予選第1セッション,1回めのアタックラップに入ったマッサ(フェラーリ)がカジノ手前でバランスを乱しそのままタイヤウォールにクラッシュ!ここでクラッシュするマシン初めて見た….これでマッサは予選ノータイムとなり最後方グリッドが確定してしまう.やはり若手ドライバーに厳しいサーキットであることを見せ付けられる.第1セッションではいつもの5人がノックアウト.
    第2セッション,今度はハイドフェルド(ザウバーBMW)にスロットルトラブル発生.ポルティエ手前でエスケープロードに退避し早々にノックアウト決定.第2セッションではハイドフェルドに加え,ヴィルヌーブ(ザウバーBMW),バトン(ホンダ),リウッツィ(トロロッソ・コスワース),クリエン(レッドブル・フェラーリ),R.シューマッハがノックアウト.バトン,ここまで予選だけは速かったがここモナコで初のノックアウトとなってしまう.
    問題の第3セッション,序盤にモントーヤ(マクラーレン・メルセデス)が好タイムを出し,各車そのタイムを目標にアタックが繰り返される.搭載燃料の減ってくる残り10分あたりから各車タイヤを履き替え2度めのアタック開始.トップはライコネン(マクラーレン・メルセデス)→M.シューマッハ(フェラーリ)と交代する.問題が発生したのはM.シューマッハの最終アタックのとき.コース終盤の鋭角コーナー・ラスカスでマシンが挙動を乱しコーナー出口でストップ.そのままエンジンがストールしてしまう.当然この場所は黄旗が振られることになる.割を食ったのはアロンソ(ルノー).この出来事が発生している間,彼もアタック中で第2セクションまではトップタイムをマークしていたのだ.しかしラスカスで減速走行を強いられ予選2位のタイムを出すに留まってしまう.
    予選後,M.シューマッハの件とクルサード(レッドブル・フェラーリ)のアタックを妨害したフィジケラ(ルノー)に関して審議が行なわれる.結果,M.シューマッハについては全ての予選タイムの抹消されノータイムとなった.これは妥当だと思う.個人的には彼がこれまで幾多の妨害行為行なってきたことを知っているだけに,今回の件も故意に行なったことと思っている.言ってみれば久々にダークサイドのM.シューマッハが見られたと思いちょっとだけ懐かしかったが,故意にしろそうでないにしろあの位置に車を止めたら厳しい処分を与えるべきだと思う.もう1件についてはフィジケラのベスト3ラップが取消され第3セッション最下位となった.しかしこの間自分が同じことされてピットにまで怒鳴り込んでいったのに,今度は自分で同じことをするとは…何とも.
    予選ではウェバー(ウィリアムズ・コスワース)が奮起しアロンソとともにフロントロウからのスタートとなった.その後にライコネン(マクラーレン・メルセデス),モントーヤ(マクラーレン・メルセデス)が続く.マクラーレン,復調の兆しか?
  • スタート!大きなトラブルは無し
    決勝スタート,上位陣は慎重にスタートし大きなトラブルは無し.無難にアロンソがホールショットを奪いウェバー,モントーヤ,ライコネンの隊列で1コーナーを通過する.下位グループではミッドランド同士の接触がありモンテイロ(ミッドランド・トヨタ)がマシン修復のためピットに直行.各車がスタートした後,ピットスタートを選択したM.シューマッハがスタート.
  • 序盤は静かに
    レース序盤,モナコにしてはトラブルの少ない走行が続く.ライコネンはオープニングラップでチームメイトのモントーヤをオーバーテイク.2周めに前を行くウェバーを攻略しアロンソ・ライコネンの両者が他車を置き去りにしながらレースが進む.
    後方ではM.シューマッハが早々にスーパーアグリとミッドランドの4台を料理しバトンとバトルを繰り広げる.が,なかなか攻略できず21周めのシケインでインに飛び込みようやくオーバーテイクする.
  • ピット戦略の妙
    ご存知のとおりモナコはオーバーテイクが最も難しいサーキット.タイムを稼ぐにはとにかくクリアに走れることが重要であり,通常のグランプリ以上にピットのタイミングが重要となる.上位陣のピット作業は特に問題なく行なわれた.レースを左右したのは,実はクルサードのピット.作業は問題なし.ピットロード出口では中段のマシンがひしめき合っている.クルサードが戻ったのはM.シューマッハの直前.完全に押さえ込んでしまう形となった.
  • ウェバー脱落
    究極のドライバーサーキットでいいパフォーマンスを見せていたウェバーだが,30周めにエンジントラブル発生.白煙を上げながらピットロード出口付近にマシンを止める.ここでセーフティカー介入.同時に各車ピット作業を行なう.アロンソとライコネンは同時にピットイン.ここはルノーが意地を見せトップで送り出す.
  • ライコネン火災発生!
    ピット作業での逆転ができなかったライコネン.後はセーフティカー解除後のガチンコ勝負で雌雄を決するしか無いのか,と思ったとたんマシンの後方から煙が!モナコ用にタイトに絞り込んだカウルが,セーフティカーランの低速走行のため冷却に問題が発生しどこかに引火した模様.ライコネンはポルティエ手前でマシンを置き,クルーザーに向けてとぼとぼとモンテカルロを散策することに….
  • M.シューマッハの不運
    セーフティカー介入のタイミングでピットに入るがタイミングが悪くアロンソに周回遅れとされてしまう.もし先述のクルサードの戻った位置がM.シューマッハよりも後ろであったとしたら….たらればにはなるが,もしかしたら周回遅れになることなく,さらに上位でフィニッシュできたかも….
  • アロンソ圧連勝
    終盤,3位走行中のバリチェロ(ホンダ)がピットの速度制限違反でドライブスルーのペナルティを受ける.代わりに3位になったのがモナコ2勝のベテラン,クルサード.M.シューマッハは1周先を行くアロンソを抜き,ファステストラップを出しながらバリチェロを追い込むが,追いついたところでチェッカーとなった.
    結果,アロンソが他のマシンの自滅にも助けられ今期4勝めを手中に入れた.2位にモントーヤ,彼に似合わない地道な走りが続いたが結果に結びつけた.3位にベテラン,クルサード,ベテランらしい緩急をつけたドライビングがポディウムに繋がった.以下バリチェロ,M.シューマッハ,フィジケラ,ハイドフェルド,R.シューマッハ(トヨタ)までがポイント獲得.表彰台でスーパーマンのマントを装着したクルサードがなんだか微笑ましい.

最終的に17台完走扱い.スーパーアグリは佐藤が電気系のトラブルでリタイア,チームメイトのモンタニーが16位初完走.

最後にもう一度M.シューマッハのことを書いておこう.レース終盤,彼は1分15秒台(ファステストラップ含)を連発しバリチェロを追い掛け回していた.しかも取った作戦は1ストップ.アロンソは楽勝に見えるが,実はライコネンの離脱が大きく影響しているものと思われる.これもたらればだが,もしM.シューマッハが予選であのようなことをしなかったとしたら…フロントローからスタートし実は軽く優勝できていたのではないかと思うのだ.それだけにあのラスカスでの一件がM.シューマッハ,フェラーリに及ぼした影響は計り知れないものがあるのではないか.地上波ではマッチが「この4ポイントがシーズン終盤に大きな意味をもつことがある」と発言していた.が!それ以上に「勝てたかもしれないレースをみすみす取りこぼし4ポイントしか獲得できなかった」ことも事実なのだ.バリチェロには失礼な書き方だとは思うが,M.シューマッハの敵はバリチェロでは無い,アロンソなのだ.シーズン終盤,どのような影響を及ぼすのか?今はまだ分からないことだが….

次戦,第8戦は1950年にF1GP第1戦が行なわれた伝統のシルバーストーンサーキットで行なわれるイギリスGP.ここを活動の拠点としているチームも多く,テストに多く使用されるためドライバーが知り尽くしているサーキットである.決勝は6月11日.アロンソの快進撃を止めるのは誰か!


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王者の凱旋(2006F1第6戦スペインGP) [F1]

5月14日,スペイン,バルセロナ郊外のカタルニアサーキットで行なわれた2006年F1第6戦スペインGPを回顧.前戦ドイツでのヨーロッパGPではM.シューマッハ(フェラーリ)が見事地元で優勝を果たしたが,ここスペインはアロンソ(ルノー)の地元GP.ここでM.シューマッハの逆襲を食い止めることができるのか?以前の記事に書いたことがあるが基本的に「オフィシャルサイトのライブタイミングを見る→地上波のビデオを見る」の流れでF1のレヴューは書いているのだが,見事にライブタイミングがラスト10周でぶっ壊れ混乱.で地上波はどうも好きになれない「マッチでぇ~す」の解説であり,なおかつレース自体も言ってはアレだがあまり面白いレースではなかったので,いつもと趣向を変えてちょっと毒付き気味にまとめてみよう.

  • 予選ルノーがフロントロウ独占
    予選第1セッション,今年で12年めのシーズン,ここが200戦めの大先生ことクルサード(レッドブル・フェラーリ)がクラッシュ!この一発で最後尾確定.開発能力と残留能力の高さおよび荒れたレースでの安定感は超一流,というか信じがたいことに13勝もしているドライバーがこうなってしまうのがノックアウト予選の恐いところ.第1予選はいつもノックアウトされる面子(スーパーアグリ・ミッドランド・トロロッソ)の中からリウッツィ(トロロッソ・コスワース)が4戦連続で第2セッション進出,おめでとう.特筆すべきはミッドランドとスーパーアグリのタイム差.前戦では1.5秒差が今回は0.9秒差,もう少し開発が進むともしかしてもしかするかも….
    続く第2セッション,友人と「ヴィルヌーブが予選最終セッションに進めるか」を賭けた訳だが両者とも「No」.じゃんけんで負けた私が負けた…つかじゃんけんで負けた段階で8割方負けてたような気がしないでもない.まぁ,それは置いとこう.それよりも問題は私の贔屓にしているドライバー「『牙を抜かれた』コロンビアの一匹狼」モントーヤ(マクラーレン・メルセデス)だ!確かに今年のマクラーレンはルノー・フェラーリの2強に比べて明らかに遅いマシンである.だが,チームメイトのライコネン(マクラーレン・メルセデス)を見てみろ.苦しみながらも最終予選に進んで9番グリッドを獲得している.なのにモントーヤは….トラブルがあったとは言ってもノックアウトはちょっとねぇ…ってことで,この段階で狼から犬に降格ね,モントーヤ.なお,第2セッションではその他ウィリアムズの2台,リウッツィ,クリエン(レッドブル・フェラーリ)がノックアウト.
    最終予選,トップチーム4台が抜けた速さ.マッサ(フェラーリ)だけ微妙かな.結局ルノーの2台がフロントロウ,フェラーリの2台がセカンドロウ,その後ろにホンダとトヨタが仲良く2列に並んで,ライコネンが9番手,ヴィルヌーブのチームメイトでしっかりと最終予選に進んでしまったハイドフェルド(ザウバーBMW)が10番手となった.多分,ルノーが軽めの燃料,フェラーリが若干積んでいる感じ.ホンダとトヨタは…何も書くまい.
  • スタート!ライコネンが好ダッシュ!
    決勝スタート,ルノーとフェラーリは何事も無かったかのように隊列変わらず1コーナー進入,あっさりとアロンソ(ルノー)がホールショット獲得.中段からスタートのライコネン,前にいる日本車4台をあっさりパスして5番手にジャンプアップ.その他大きな混乱は無く序盤は進む.
  • 亀の子モントーヤ
    モンタニー(スーパーアグリ・ホンダ)が駆動系破損で力なくリタイア.その後17周め,私の評価が「犬」になってしまったモントーヤが2~3コーナーでスピンオフ.3コーナーの内側の縁石にどてっ腹を乗せてしまい,亀の子状態で動こうにも動けない.あっさりマシンを離れモントーヤはリタイア.この時点での私の中のモントーヤの株は「狼」→「『牙を抜かれた』狼」→「犬」→「亀」にまで評価を下げた.次は優勝経験のあるモナコなんだからなんとかしてくれよ,モントーヤ!
  • フィジケラ,見事なサポート
    2戦連続で予選第2セッションノックアウトでアロンソのサポートをできなかったフィジケラ.さすがに2番手スタートでそのままの隊列でレースが進むとやるべきことはひとつ.そう「できるだけゆっくりと走ってアロンソとM.シューマッハのギャップを広げる」こと.第1スティント,見事に防波堤となりファステストラップを刻むアロンソに大きなマージンをプレゼント.
  • ホンダとトヨタの明暗…
    予選仲良く3列~4列めに並んだホンダとトヨタは決勝では明暗くっきり.ホンダは相変わらず決勝はタイムは平凡.しかし地味ながらもどうにか両者完走しバトン(ホンダ)が6位,バリチェロ(ホンダ)が7位で2台とも入賞,おめでとう.地上波ではピット作業くらいしか映ってなかったけどねぇ….一方のトヨタ,16周め何の因果かトゥルーリ(トヨタ)とR.シューマッハ(トヨタ)がチームメイト同士で接触….ダメージを負ったR.シューマッハはピットに戻り応急処置を施すも結局は電気系のトラブルでスローダウン,リタイア.トゥルーリはタイヤとのマッチングに苦しみタイムが安定しない厳しい状況.最後は新人ロズベルグ(ウィリアムズ・コスワース)に追い掛け回されるも,どうにかしのぎきり先輩ドライバーとしての面子がぎりぎりで保つことのできる10位完走となる.
  • レース自体は1回めのピットで終わっていたのだ!
    良くも悪くも先述のとおりフィジケラがセカンドドライバーとして抜群の仕事をしてしまったために1回めのピットの段階でアロンソの優勝は決まってしまったようなもの.燃料を多めに積んで逆転にかけたM.シューマッハもこれではどうしようもない.せめてもの救いは1回めのピット作業終了時にフィジケラを交わして2番手に浮上したことか.
  • ライコネンが切ない…が!
    チームメイトの亀があの様で,単独走行が長かったためなかなか映像に映らなかったライコネン,某解説者に「カタルニアで勝ってチャンピオンになっていないのはライコネンだけ」とまで言われてしまうのが非常に切ない,まぁ先輩のハッキネンもデビューは早かったけど遅咲きのドライバーだったのでファンの方は長~い目で見守って欲しい.レース終盤,バトンが接近するもそこは格の違いを見せて5位完走を果たす.このような状況にも関わらずじんわりじ~んわりポイントを稼いでランキング3位につけているのはさすがである.
  • アロンソ圧勝!
    上位陣はM.シューマッハのブレーキが気になったくらい(というか地上波,現地にいる実況のポエマーと某解説が気付かず,日本にいる片山右京師匠に「ブレーキダストが多いのが気になる」と指摘されるのは見ていてこっちが恥ずかしくなったわ,ホント)で,何事も無く1回めのピット作業終了時の順位のとおりフィニッシュ.ライブタイミングは見事にバグってて実は映像を見るまで結果が把握できていなかったのは内緒である.
    結局優勝は地元凱旋レースを勝利で飾ったアロンソ.チェッカーを受けるときにウェービングしたのが微妙にムカついた,いっそいつぞやの亜久里のようにいきなりピットウォールにどっかんしないかな,したら伝説だな,と思ったが不謹慎すぎるのでこの辺りにしておく.まぁ,地元凱旋レースで見事優勝ということで異様に盛り上がっていたのは印象的で良かったのではないかな.書かなくても分かることだが2位にM.シューマッハ,3位にフィジケラ.以下マッサ,ライコネン,バトン,バリチェロ,ハイドフェルドまでが入賞,ポイントを獲得.

最終的に17台完走.さすがにテストによく使用されるサーキットだけにトラブルは少なく共倒れになったチーム無し.佐藤(スーパーアグリ・ホンダ)はテールエンド17位ながら久々の完走.決勝ではまだまだ厳しいかもしれないが,せめて光明の見えかけた予選でスーパーラップを見せて欲しい.

ここでまだまだ早いが現時点でのポイントをおさらい.アロンソとのドライバーズポイントの差はM.シューマッハが15ポイントのビハインド,ライコネンがちょうどダブルスコアで27ポイント差.ルノーとのコンストラクターズポイントはフェラーリが19ポイント,マクラーレンが36ポイントのビハインド,いやぁ,これは思っている以上に苦しいなマクラーレン.

次戦,第7戦は美しくも危険なモンテカルロ市街地コースで行なわれるモナコGP.究極のドライバーズサーキットだけに意外な伏兵が潜んでいるかもしれない.決勝は5月28日(日).できれば今回のようなネタに走ることなく普通の記事が書ける熱いレースを期待したい.


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1秒を隠し持つ走り(2006F1第5戦ヨーロッパGP) [F1]

5月7日,ドイツ・ニュルブルクリンクサーキットで行なわれた2006年F1第5戦ヨーロッパGPを回顧.決勝当日の天候は晴.第4戦サンマリノGPではM.シューマッハ(フェラーリ)とアロンソ(ルノー)の好バトルの末、フェラーリが久々の勝利を収めたが,ここではどうなのか.では,いつものように…

  • アロンソPP,2番グリッドM.シューマッハ
    まず予選第1セッション,赤旗誤提示など混乱の中ノックアウトされたのはスーパーアグリの2台佐藤(スーパーアグリ・ホンダ)と井出から交代のモンタニー(スーパーアグリ・ホンダ),ミッドランドの2台アルバース(ミッドランド・トヨタ)とモンテイロ(ミッドランド・トヨタ),およびスピード(トロロッソ・コスワース)とクリエン(レッドブル・フェラーリ).クリエンは2戦連続セカンドチームに敗れてノックアウト,大丈夫だろうか?
    続く第2セッション,ここでもまたもや2戦連続でフィジケラ(ルノー)がノックアウト.ヴィルヌーブ(ザウバーBMW)のアウトラップに引っかかったのが原因なのだが….怒るフィジケラに同情はするが,今回の判定(ヴィルヌーブの第3セッションタイム抹消)は納得がいかない.フリーアタック形式の予選の場合,いかにしてクリーンなラップを取ることができるか,ということもドライバー・チームのテクニックだと思うからである.怒鳴り込む気持ちは分かるけどねぇ….最終第3セッション,チームとして速かったのはフェラーリ,最終的にM.シューマッハが2番手,マッサが3番手となる.最後に逆転したのがアロンソ,見事にポールポジション獲得.このときは軽いタンクでタイムを出した,と思ったのだが….あとエンジン交換,予選妨害のタイム抹消でグリッドが錯綜.エンジン規定だけでも何とかならないのか?
  • スタート混乱,セーフティカー導入
    決勝スタート,マッサが好スタートを切り直線でM.シューマッハに並ぶもポジション変わるに至らず.ホールショットはアロンソが獲得する.1コーナーが鋭角でありなおかつ低速コーナーが続くレイアウトのため中段~後方で混乱発生.リウッツィ(トロロッソ・コスワース)がクルサード(レッドブル・フェラーリ)と接触しコース上にストップ.ギアがスタックしたためセーフティカー導入.クルサードはピットに戻るも結局リタイアとなる.
  • 予選アロンソは軽いタンクだったのか?
    結果はNo,ある程度燃料を搭載してアタックしていたことがピットインの段階で判明.フェラーリがフリー走行から速さを示していた中での地味なスーパーラップ.アロンソ,恐るべし!
  • ホンダとトヨタ,今回は
    予選で連続フロントロウを獲得していたバトン(ホンダ)だが予選は振るわず6番手,初めてチームメイトのバリチェロ(ホンダ)が上位に来る4番手となった.決勝でも明暗くっきり.バトンの車にエンジントラブル発生,リタイアとなる.一方のバリチェロ,地道に走って5位入賞を果たす.でもやっぱり予選より下位.荒れたレースだったのに….ホンダ,安定して速いラップを刻めるマシンとピット作業が当面の課題か.トヨタ勢も精彩を欠く.7番手スタートのトゥルーリ(トヨタ),1回めのピット作業終了後タイヤとのマッチングに苦しみ最終的に9位完走,こちらも予選より下….もっと悲惨なのはチームメイト,ここが地元ドイツのR.シューマッハ(トヨタ).10番手からスタートの混乱で下位に沈み,どうにかポイント圏内を走行し上位も狙えるか,というところでエンジントラブル,リタイアとなる.
  • マクラーレンに速さなし
    昨年は圧倒的なスピードを誇ったマクラーレン・メルセデス.まだまだマシンの熟成が足りないのかスピード不足.ライコネン(マクラーレン・メルセデス)は5番手スタート.じりじりと順位を上げピット作業のタイミングの妙でトップを走行.中盤~終盤はマッサに追いすがるが抜くには至らず4位入賞.チームメイト,モントーヤは8番手スタート.浮き沈みの激しい走りでヴィルヌーブ,フィジケラとバトルをするも光るところなし.結局エンジントラブルでリタイア….
  • 1秒を隠し持つ走り
    アラン・プロストの全盛時のお話.彼はいかなるときも無理をせず,常に1秒程度余裕を走行していた.このことを指したのが「1秒を隠し持つ走り」というコトバなのだが,今回それを見せたのがM.シューマッハ.1回めのピットではアロンソを攻略できなかった.これは作戦というよりも前述のアロンソの予選のスーパーラップに伴うものなのだが,M.シューマッハはあせらない.じっくりと2回めのピットストップを待つ.先に動いたアロンソがピットに入るやいなや,隠し持っていた1秒を繰り出し一気に見えない敵アロンソとの差を詰め,追い越す.アロンソから遅れること3周,M.シューマッハが2回めのピット作業を終了しコースに復帰すると…アロンソは後方に.勝負あり.
  • M.シューマッハ連勝,マッサ初表彰台
    結果終始危なげない走りを見せたM.シューマッハがサンマリノGPに続き自身の地元ドイツで連勝.2位にアロンソ,しっかりとポイントをもぎ取ってくる.3位が初表彰台のマッサ.フェラーリとしてはアロンソを交わしてポイントを奪って欲しいところだろうが,まずは表彰台.及第点と言ったところだろう.
    以下,ライコネン,バリチェロ,フィジケラ,ロズベルグ(ウィリアムズ・コスワース),ヴィルヌーブまでが入賞,ポイントを獲得.

最終的に完走13台.エンジン規定がかなり効いているのか完走率が6割を切る厳しいレースとなった.スーパーアグリの2台,佐藤とモンタニーはともに油圧系トラブルでリタイア.速さも大事だがその前に完走しないと….

第6戦,今度はディフェンディングチャンピオン・アロンソの地元凱旋レースとなるスペインGPは連戦となり決勝は5月14日,場所はおなじみバルセロナ郊外のカタルニアサーキット.地元でフェラーリの攻勢にどう立ち向かうのか,アロンソ.


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手に汗握るとはこのことだ!(2006F1第4戦サンマリノGP) [F1]

4月23日,イタリア・イモラサーキットで行なわれた2006年F1第4戦サンマリノGPを回顧.決勝当日の天候は晴.この第4戦よりいよいよヨーロッパラウンドの開幕,このことをヨーロッパでは“True Start”と呼ぶことがあるらしい….ここから巻き返しを図るチームはあるのか.では,いつものように…

  • M.シューマッハPP,ついに最多PP記録を更新
    まずは予選.第1セッションでノックアウトされたのはスーパーアグリとミッドランドの4台とスピード(トロロッソ・コスワース)そしてアタックに失敗したクリエン(レッドブル・フェラーリ)の6台.セカンドチームに負けてしまったクリエン,お気の毒.第2セッションでリウッツィ(トロロッソ・コスワース),クルサード(レッドブル・フェラーリ)およびザウバーBMWの2台がノックアウト.なんとこのセッションでなんとフィジケラ(ルノー)とロズベルグ(ウィリアムズ・コスワース)がノックアウトされてしまう.
    予選最終セッション.ここイモラで速さを見せたのが地元GPとなるフェラーリの2台と予選は速いホンダの2台.M.シューマッハ(フェラーリ)がPP獲得,これで通算66回めのポール.イモラはウィリアムズ・ルノーを駆るアイルトン・セナが最後の65回めのポールポジションを獲得したサーキットであり,同時に決勝でトップ走行中に事故死してしまったサーキット.その事故を真後ろで見ていたM.シューマッハがそのイモラで遂に最多PP記録を更新.そうかあの事故からもう12年か…としんみり.予選2番手に決勝の成績からは信じられないが3連続フロントロー獲得のバトン(ホンダ),直後3番手に同僚のバリチェロ(ホンダ)(そう言えばあの1994年の悪夢の週末,最初の事故はバリチェロの大クラッシュだったよなぁ…).予選4番手にマッサ(フェラーリ).以下アロンソ(ルノー),R.シューマッハ(トヨタ),モントーヤ(マクラーレン・メルセデス),ライコネン(マクラーレン・メルセデス)と続く.地元でルノーの連勝を止めることができるのか,フェラーリ.
  • シューマッハ好スタートもアクシデントでセーフティカー導入
    決勝スタート,PPから絶妙のスタートでホールショットを奪うM.シューマッハ.一方ホンダのバルチェロがスタートに失敗しマッサ,アロンソに交わされてしまう.大きなアクシデントが発生したのはヴィルヌーブコーナー.最後尾でアルバース(ミッドランド・トヨタ)に井出(スーパーアグリ・ホンダ)が追突.アルバースが突き飛ばされる形となりもんどりうってエスケープゾーンに.かなり横方向に回転しマシンは大破したが,そのことが幸いしアルバースは無事.一安心.このアクシデントで一時的にセーフティカーが導入される.
  • ホンダのすったもんだ
    相変わらずレースラップも遅ければ作戦もハマらずピット作業にも難のあるホンダ.ここイモラではピットで深刻なトラブルが発生.まずバリチェロの1回めのピット,給油機のトラブルでタイムロス,バリチェロは後方に沈んでしまう.続くバトンの1回め,今度はタイヤ交換ミス,数秒のロス.コース上で数秒詰めるのは至難の技,なのにその数秒をロスしてしまう….極めつけはバトンの2回めのピット.給油機が繋がった状態でロリポップが上がってしまう!当然バトンは発進,なぎ倒されるホンダのメカニックと破壊される給油機のホース,しかもそこからはガソリンが漏れている!極めて危険なアクシデントだ.ロリポップマンの一瞬の判断ミスによって発生したこのトラブル,今のホンダには戦略,戦術,戦法の全てが足りない感じ….最終的にバトンは7位完走,バリチェロが10位完走.
  • マクラーレン目立たず
    フェラーリとルノー,というか後述するM.シューマッハとアロンソばかりが目立ったレースの中,マクラーレンの2台は目立たないところで苦労を重ね2台入賞.モントーヤ,ライコネン対マッサの戦いが繰り広げられていたが,そこを映している場合では無かった訳で….とにもかくもモントーヤが3位表彰台獲得,ライコネンは5位入賞.ここは手堅くポイントをゲットできたということでマクラーレン的には良かったのではないかと.
  • 第2スティント,アロンソの強烈な追い上げ
    燃料を多めに搭載したアロンソ号.1回めのピットを終えM.シューマッハの十数秒後ろに復帰.タイヤのグレイニングの問題で思うようにタイムが上がらないM.シューマッハに対し1周1秒強という猛烈な勢いで追い上げを図るアロンソ.事態は一気に接近戦の様相に….
  • 2回めのピットのアヤ
    M.シューマッハとアロンソのテールトゥノーズの戦いが続く中,2回めのピットのタイミングが近づいてくる.普通に考えるとピットタイミングが後になる=給油時間が短くなる=ピットのロスタイムが減る,となる訳だが….先に動いたのは意外にも後ろを行くアロンソ,事態の打開を図ろうとしたのか?その次の周,M.シューマッハが2度めのピットイン.作業自体はフェラーリもルノーも互角.先にタンブレロに飛び込んだのは…M.シューマッハだった.
  • 昨年に続く好バトル!
    昨年はレギュレーションの関係上ズルズルになったタイヤで終盤バトルが繰り広げられたが,レベル的には今年の方が上.新しいタイヤを履いた両者により緻密な神経戦が繰り広げられる.コンマ数秒の差の中何度もプレッシャーを掛けるアロンソではあったが,歴戦の兵M.シューマッハは動じない.ひたすらキレイにブレーキングポイント,アクセルポイントを守りレコードラインをトレースしていく.決着は残り3周のヴィルヌーブコーナー.アロンソがタイヤを縁石に引っかけ姿勢を乱しタイムロス.2人の差は一気に2秒に広がる.この段階ではもう1度テールトゥノーズに持ち込めるかとも思ったが,翌周今度はリヴァッツァコーナーで姿勢を乱しThe End.M.シューマッハが昨年のUSGP以来,久々の勝利を手中にした.
    2位アロンソ,3位モントーヤ,以上が表彰台.以下,序盤セカンドドライバーとしてM.シューマッハの防護壁となったマッサが4位.5位ライコネンでマクラーレンもダブル入賞.6位は堅実にウェバー(ウィリアムズ・コスワース),7位にすったもんだがあったもののきっちり入賞のバトン(ホンダ),8位に滑り込んだのは予選で失敗したものの堅実にポイントゲットのフィジケラ.以上が入賞.結果,16台完走.スーパーアグリの2台は佐藤,井出ともにリタイア.次はダブル完走を目指して欲しい.

実は私は1990年のマカオGPでハッキネンを意図的にクラッシュさせて以来,94年のオーストラリアGPをはじめとするヒルとの出来事や97年へレスで行なわれたヨーロッパGPにおけるヴィルヌーブへの特攻などを知っているだけにM.シューマッハのことはあまり好きではない.また,私がマンセルが好きなことからも分かるとおり冷静沈着な走りを身上とするアロンソも余り好きなタイプのレーサーでは無い.とはいうもののさすがに今回の神経戦は手に汗握った.とりあえずのところの私の今年のベストレースということで.

第5戦,ドイツ・ニュルブルクリンクでのヨーロッパGP.決勝は黄金週間の最終日5月7日.熱いバトルを期待したい.


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荒れたレースを制するものは…(2006F1第3戦オーストラリアGP) [F1]

4月2日,オーストラリアの公園周回路を使用した中高速サーキット,メルボルンはアルバートパークサーキットで行なわれた2006年F1第3戦オーストラリアGPを回顧.決勝当日の天候は曇.パーマネントサーキットでは無いため,非常にスリッピーな路面とコースのすぐ脇にあるコンクリートウォールにより非常に荒れたレースとなった.

  • バトン,オールホンダとしては38年振りのPP獲得
    予選は第1セッションで井出(スーパーアグリ・ホンダ)のクラッシュにより赤旗中断.これにより混乱が発生,セッション再開後タイムアタックを行なうバリチェロ(ホンダ)が井出のトラフィックに引っかかりタイムを出せずノックアウト.その他スーパーアグリとミッドランドの2台,スピード(トロロッソ・コスワース)がここで姿を消してしまう.
    続く第2セッション,今度はマッサ(フェラーリ)がクラッシュし赤旗中断.ここでトラフィックに引っかかったのがM.シューマッハ(フェラーリ)とロズベルグ(ウィリアムズ・コスワース).フェラーリ2台がここで姿を消してしまう.あとこのセッションでノックアウトされたのがレッドブル・フェラーリの2台とリウッツィ(トロロッソ・コスワース),ロズベルグ.
    最終セッション,勢いを感じる走りでポールポジションを獲得したのがバトン(ホンダ).オールホンダとしては69年イタリアGPのジョン・サーティース以来38年振りのポールポジションとなる.以下続くのがフィジケラ(ルノー),アロンソ(ルノー)のルノー勢,その後方にライコネン(マクラーレン・メルセデス),モントーヤ(マクラーレン・メルセデス)の隊列となった.
    予選で既に赤旗中断が2回.これが大混乱のレースの序章となるのである.それにしても予選は速いバトン.レースではどうなのか….
  • スタート大混乱!
    スタートの前のフォーメーションラップ,まずここでトラブルが発生.何をしようとしたのかモントーヤが最終コーナー立ち上がりでスピン,コースを半分塞いでしまう.グリッドについたマシンでは2番グリッドのフィジケラがエンジンストール.このことによりスタートはアボート,エクストラフォーメーションラップが行なわれる.当然原因を作ったフィジケラは最後尾に(実際にはピットスタート).何故かモントーヤは自身の5番グリッドに復帰,このあたり何か微妙….
    ようやくスタート!PPバトン,アロンソとサイドバイサイドになるもここは意地でトップを死守.ところが後方でアクシデント発生.マッサとロズベルグが接触.マッサはタイヤバリアに激突,ロズベルグもリアウイングを破損,ピットに戻るもののリタイア.それとは別にクルサード(レッドブル・フェラーリ)と接触したトゥルーリ(トヨタ)がサスペンションを破損リタイアとなる.コース上にはマッサのマシンからばら撒かれたパーツが散乱.いきなりセーフティカーの導入.
  • 佐藤(スーパーアグリ・ホンダ),抜群のスタートで12位浮上
    絶妙のスタートを決めた佐藤,混乱を尻目に21番グリッドから一気に12位に浮上!マシンがマシンだけにバリチェロ,クルサードを押さえ込んでしまいドライビングスクール状態になってしまう.が,同一周回だけに仕方が無い,のかな?
  • 再スタートでアロンソがトップに
    4周め,セーフティカーがピットに戻り再スタート!最終コーナーからスリップに入り抜群のタイミングでコントロールラインを通過したアロンソ,あっさりとバトンを攻略,トップに浮上するのだが….
  • クリエン,大クラッシュ2度めのセーフティカー導入
    再スタートのラップでクリエンがマシントラブルによるものと思われる挙動で13コーナー手前でアウト側のウォールに激しくクラッシュ,危険なクラッシュだったが幸いクリエンは無事.コース上に散乱したパーツの除去のため2度めのセーフティカー導入.あぁ,タイヤがまた冷える….
  • 再々スタート,今度はライコネンがパス
    9週め再スタート,今度はライコネンがバトンをパス!バトンのタイヤに問題があるのか単にローリングスタートが下手なのか…再スタートの度に順位を下げていくバトン.しかもラップタイムが遅くここでも渋滞が発生.
  • リウッツィ,M.シューマッハをパス!
    11番グリッドからスタートのM.シューマッハ,なんとトロロッソのリウッツィにパスされてしまう.トロロッソの前進はミナルディ,しかもレッドブル・フェラーリのセカンドチームである.このレース,全くフェラーリに精彩が無いなぁと思っていたのだが….
  • ウェバー,地元グランプリで無念のリタイア
    各車1回めのピット作業を行なう中,オージードライバーのウェバーが当座のトップを走行,したと思った次の瞬間スローダウン….無念のギアボックストラブル.ここでウィリアムズ全滅.
  • M.シューマッハ最終コーナーでクラッシュ
    リウツッイに抜かれてからグリーン上を走ったり縁石を超えたりと非常に苦しい走りをしていたM.シューマッハ,33周めの最終コーナーでとうとうクラッシュ.コーナー上に三度マシンの破片を除去するべくセーフティカーが介入.フェラーリも全滅….このタイミングで各車2度めのピット作業を行なう.残り20周でレース再開.周回遅れを交えながらハイドフェルド(ザウバーBMW),ライコネン,バトン,R.シューマッハ(トヨタ)のバトルが激化したと思った矢先…
  • リウッツィ,コースを横切る大クラッシュ
    再スタート直後の3コーナー手前でリウッツィがイン側に振られバランスを崩しアウト側ウォールにクラッシュ!そのまま再度イン側ウォールまで跳ね返ってくる.リウッツィは無事.また,レース再開後の超密集状態の中の出来事で単独クラッシュで終わったのは不幸中の幸いといったところだろう.当然セーフティカーが導入される.残り17周でレース再開.
  • モントーヤ,コースアウトでサスペンション破損
    46週め,モントーヤが最終コーナーで挙動を乱し縁石に乗り上げサスペンションを破損.今回もモントーヤ,いいところ無し….
  • 結局最後に笑ったのはアロンソ
    荒れたレースの中淡々とトップを走行続けたアロンソが地味ながら安定した走りで優勝.2位が接近戦を繰り広げたライコネン.3位にトヨタのR.シューマッハが今期初の表彰台獲得,ペナルティを受けながらも表彰台までマシンを持ってきたR.シューマッハは評価して然るべきであろう.4位にハイドフェルド,5位フィジケラ,6位ヴィルヌーブ(ザウバーBMW),7位にバリチェロ,8位はスピード(トロロッソ・コスワース)が黄旗追い越しのため25秒タイム加算のペナルティを受けクルサードが繰上げで最後の1ポイントを獲得.終始不安定な走りだったバトンは最終周の最終コーナー手前でド派手なエンジンブロー.結局10位完走扱い.アルバース(ミッドランド・トヨタ)が11位,そして佐藤,井出がそれぞれ12位,13位でスーパーアグリの第一目標,2台完走を達成.

結果完走はたったの13台.不安定な天候によりラバーの乗っていない極めてスリッピーであった路面に加え,いつぞやのインディ500のように「冷えたタイヤでスタート→クラッシュ発生→セーフティカー導入でタイヤが冷える→そのままスタート→クラッシュ発生→…」の悪循環に陥った,締まりの無い危険なレースだった,というのが私見である.そんな中,優勝したアロンソ,2台入賞を果たしたルノーとザウバーBMWの安定した走りは評価してよいだろう.スーパーアグリもトップチームとは絶望的な開きがあるが堅実に2台完走.更なる努力を期待したい.

第4戦,イタリア・イモラサーキットで行なわれるサンマリノGPは決勝4月23日.いよいよヨーロッパラウンドの開幕.中間2週あるためマシンも進化することだろう.次は後味の良いレースを観たい.というところで.


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モータースポーツに危険は付き物とはいうものの… [F1]

このblogでF1のネタを書いていることからもお分かり頂けることと思うが,私はモータースポーツが好きなのである.地上波でルマンをやっているときは夜中まったりしながら楽しんだし,インディ500もオーバルコース独特の駆け引きがあり趣きがある.そんなモータースポーツだが,悲しいことだが先週末のイベントで2件の死亡事故が発生してしまった.

ひとつめはWRC・カタルニアラリーの事故.こちらはマシンが故障しコース脇でコ・ドライバーが修理をしているところに別のマシンが突っ込んでしまった事故だそうだ.詳細は把握できていないがそういう事故だったらしい.サーキットでのレースとは違い基本的に一般公道を使用するラリーには,マーシャルがすぐに辿り着けない区間があったり,観客が異常に近い位置にいたり,今回のようにトラブルが発生した場合コース脇で修理を行なう場合があるなど多くの危険がつきまとうものだが,痛ましい事故である.

ふたつめがIRLの開幕戦,マイアミでのトヨタ・インディ300の事故.1台がオーバルの外壁にクラッシュ,すぐさまフルコースコーション.ここまではオーバルレースでよくある事故のひとつである.問題はその後.外壁からバンクを滑り落ちている間に後続車両が「ほぼフルスピード(多分時速200マイルオーバー)」で激突.激突した方のドライバーが死亡したとのこと.

こちらの事故は映像を見た.前方でトラブっているマシンに後続車両が突っ込むという事故形態としてはザナルディとタグリアーニの事故に近いかもしれない.しかし合点がいかないのだ.フルコースコーションが出ており,実際に何台かのマシンが減速しながらきわどく事故車の脇をすり抜けていっているのに,何故か追突した車だけ明らかに速度が高いのだ.オーバルコースの場合,安全性の観点からイエローフラッグやイエローシグナルが分かりやすい位置で提示されるし,何よりオーバルのレースということは無線で指示を飛ばすスポッターがいたはずで,各ドライバーには事故が発生している旨が伝わっていて然るべきなのである.どうも不条理である.

今となってはモータースポーツ好きの私としては,亡くなった2人に哀悼の意を示すことしかできない訳であるが,せめて原因を追究し今後の安全性の向上に努めて欲しいと思う.また,F1にはオカルト的に「12年置きに死亡事故が発生する」と言われているが,実は今年がその年なのだ.そんなものを信じるかどうかは別にして,重大な事故が発生しないことを祈りたい.

今週末のオーストラリアGPが安全でかつ熱いバトルを観ることができることを期待して.今日はこんなところで.


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