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一寸先は闇(2006F1第17戦日本GP&第16戦中国GP) [F1]

イタリアGPから3週間.F1サーカスは極東ラウンド2連戦へ.まとめてレヴューするが,いやぁ,激しい連戦だった….

まずは10月1日決勝の第16戦中国GPから.

  • 雨の予選,ブリヂストン失速
    予選の行なわれた9月30日,上海インターナショナルサーキットは雨天,ウェット路面.ブリヂストン勢は全く振るわず全車ノックアウトされかねない状況.最終第3セッションに進出できたのはM.シューマッハ(フェラーリ)のみという悲惨さ.アロンソ(ルノー)がポール,フィジケラ(ルノー)2番手でフェラーリへ反撃の狼煙を上げる.ホンダの2台は同タイムでバリチェロ3番手,バトン4番手.M.シューマッハが6番手でブリヂストン勢の面目を保つ.クリエンに変わって出走のドーンボス(トロロッソ・コスワース)が10番手,雨とはいえ侮りがたし.
  • スプラッシュバトル
    決勝日は曇天,路面は微妙にウェット,大混乱の予感.各車ウェットタイヤでスタートを向かえる.そしてスタート,ここでは意外にもアクシデントは1件のみ,ドーンボスがコースオフし一気に最下位転落.5番手スタート,ライコネン(マクラーレン)が好スタート,バトン,バリチェロを交わし3位に浮上,一方バリチェロはライコネンと入れ替わり5位に転落.序盤はアロンソ-フィジケラの1-2体制で周回が進む.
  • もはやライコネンのお家芸
    ライコネンは13周めにフィジケラをパス,16周めにピット.順位を回復しようとしていた矢先の18周め,スロットルトラブルでスローダウン.いいところを見せながら序盤~中盤に消えていくライコネン.
  • 逃げるアロンソ,M.シューマッハ,虎視眈々
    アロンソはファステストラップを更新しながらマージンを稼ぐ.M.シューマッハは序盤にホンダの2台を次々にパス.タイヤ無交換ピットなど細かいワザを繰り出し後方待機で虎視眈々.
  • 路面が良化,レコードラインはドライに
    中盤からレコードラインが乾きドライコンディションとなる.続々と各車ピットイン.アロンソはピット作業でミスがあり順位を下げる.最後までレインタイヤで粘ったM.シューマッハとフィジケラはそれぞれ40,41周めにピットイン.コース合流でフィジケラが一瞬トップに立つも1コーナーでラインが膨らみM.シューマッハに交わされる.
  • M.シューマッハついにポイントリーダーに
    結果そのままM.シューマッハがトップを守り10ポイント加算.ピット作業のミスから猛然と追い上げを図ったアロンソが2位で8ポイント加算.この時点でポイントが並び優勝回数の関係上M.シューマッハがポイントリーダーとなった.3位にフィジケラ,アロンソの援護が出来なかったのはルノーとしては辛いところ.以下バトン,デ・ラ・ロサ(マクラーレン・メルセデス),バリチェロ,ハイドフェルド(ザウバーBMW),ウェバー(ウィリアムズ・コスワース)までがポイント獲得.佐藤(スーパーアグリ・ホンダ)は完走を果たすも終盤のチグハグで迷惑かけまくりのドライビングが問題となり失格処分,山本(スーパーアグリ・ホンダ)がテールエンド16位で初完走.結果がすべてのためスーパーアグリの2台はダブル完走にはならず,勿体無い.

ポイントランキングトップに立ったM.シューマッハだが,今期のブリヂストンの雨の弱さが露呈してしまった中国GPだった.

そして翌週10月8日決勝の日本GP in 鈴鹿サーキット.来年の日本GPは富士スピードウェイで行なわれるため,M.シューマッハの見納めとなるだけでなく,当分の間鈴鹿サーキットでのF1マシンのレースの見納めということになる.なんか寂しい日本GP.ここでM.シューマッハが優勝しアロンソがノーポイントに終わればチャンピオン決定だが,レースはそんなに簡単なもんじゃない.簡単にまとめたい.

  • 予選はドライ,フェラーリがフロントロウを独占
    グランプリ初日は雨,ブリヂストン陣営に嫌な予感が走るも予選日は天候が回復しドライに.今度はブリヂストン勢が絶好調.予選トップはマッサ(フェラーリ),M.シューマッハが2番手に付けフェラーリがフロントロウを独占.ブリヂストン勢の一角,トヨタが地元日本でセカンドロウに,R.シューマッハ(トヨタ)が兄の直後3番手,トゥルーリ(トヨタ)が4番手,5番手アロンソ,6番手フィジケラでルノーがサードロウに並ぶ.4列めはホンダの2台が並びバトンが7番手,バリチェロが8番手.今のフェラーリとルノーの力関係,地元のワークスの気合の入れようが見事にグリッド順に現れる結果となった.
  • フェラーリは堅実なスタート,アロンソポジションアップ
    決勝日も晴,ドライコンディション.レッドシグナルが消灯し,M.シューマッハの最後の日本GPがスタートする.ホールショットはマッサが獲得,M.シューマッハが続きフェラーリの1-2体制を構築.アロンソが前を行くトゥルーリを喰い4位に浮上.バリチェロは何かのアクシデントに巻き込まれた模様.2周め早々にピットイン.フロントノーズを交換.3周め,M.シューマッハがマッサを交わしトップに立つ.
  • 忍び寄るアロンソ
    トヨタの2台は想像どおり燃料搭載量は少なくトゥルーリが12周め,R.シューマッハが13周めにピット作業を行なう.同時期にマッサがピットイン.トップのM.シューマッハに忍び寄るアロンソ.ここから2周アロンソはきっちりプッシュし,ピット作業終了後も2位に留まる.
  • アルバース(ミッドランド・トヨタ)危機一髪
    20周めのシケイン入口,アルバースのサスペンションがいきなり破損!タイヤが外れリアウイングが吹き飛んでしまう.しかし130Rの途中に壊れなかったのは不幸中の幸い.コース上にデブリが散乱するも黄旗処理のみでレース続行.
  • 好事魔多し!!
    1回めのピット作業後もトップを快走するM.シューマッハ.36周めのピット作業も無難に終えまたまたトップでコースに復帰.このまま独走かと思った直後のデグナー.フェラーリのマシンから白煙!M.シューマッハはそのまま車を止めリタイアとなる.日本GPでM.シューマッハが使用したのは2戦目のエンジン.唯一の懸念事項と思われたところが重要なレースでトラブルを起こすとは….これでトップに立ったのは…アロンソ.
  • アロンソ優勝,チャンピオンへのマジックポイントは「1」
    結果アロンソがトップのままレース終了.10ポイント加算でM.シューマッハとのポイントは10に.最終戦で1ポイントでも加算すれば2年連続でタイトルを獲得することになる.2位にマッサ,3位にフィジケラ.以下バトン,ライコネン,トゥルーリ,R.シューマッハ,ハイドフェルドまでばポイント獲得.ライコネンは予選好調時にトラブル発生,予選不調時に盛り返してポイント獲得と言うレースが多い気がするがこれも芸風だろうか….18台完走扱い.スーパーアグリの2台は佐藤がモンテイロ(ミッドランド・トヨタ)の前で完走し15位,山本が地元で2度めの完走17位.このラインナップで初の2台完走.おめでとう.

しかしアレである.イタリアGPではアロンソにまさかのエンジントラブル,日本GPでM.シューマッハにエンジントラブル.お互い重要な局面で派手なトラブルが発生する皮肉.最終戦でM.シューマッハがチャンピオンを獲得するための条件は,自身が優勝しなおかつアロンソがノーポイントに終わること.厳しいな,これは.

あと極東ラウンドではセカンドドライバーが思うようにサポートできていないことを感じた.あえて「たら」「れば」で書いてみよう.まず中国GP.フィジケラが最後のピットストップ後きっちりとM.シューマッハを押さえ込めていれば,アロンソのプッシュを見る限りチームプレイでM.シューマッハに10ポイントを献上することにはならなかった気がする.日本GP,こちらはマッサ.M.シューマッハのトラブル,リタイアに関しては不可抗力のことだと思う.が,1回めのピットインの後プッシュし,アロンソの前に出ることが出来ていれば,全く状況が変わっていたハズだ.仮にマッサが優勝,アロンソ2位になっていたとしたら,M.シューマッハのチャンピオン獲得の可能性は今よりは高かった.ま,書いたとおり「たら」「れば」だが….

次回は今シーズンの最終戦,サンパウロ・インテルラゴスで行なわれるブラジルGP.次がM.シューマッハのラストラン.チャンピオンの行方はどうなるのか.お楽しみに!


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レプトン

スタート直後の1コーナーでリタイア車がない、など、いつになく順調なレースでああゆうことが起きるんですね。嵐の前の静けさとはこのことでしょうか。
日本勢を応援していたフジテレビの一同が、あの瞬間だけはM.シューマッハだけを応援するコメントであったことに疑問を感じたわけではありあますが(笑)リタイア直後のあの笑顔は日本GP一番の見せ所だったような気がします。
by レプトン (2006-10-10 12:29) 

yas-shi

レプトンさま,コメントとnice!ありがとうございます.
>日本勢を応援していたフジテレビの一同が、あの瞬間だけはM.シュー
>マッハだけを応援するコメントであったことに疑問を感じたわけではあ
>りあますが(笑)
まぁ,トヨタもホンダも上位グリッドにいたけど勝てる気しなかったですしねぇ:).
仕方ないかなと.右京はシューマッハと同時代を走ったレーサーですし,
悔しそうに「くそ~」と言葉にならない言葉を発していたのが,
個人的に物悲しかったですねぇ.
おっしゃるとおりシューマッハの笑顔を見たときには時代が変わるんだなぁ,
というのをしみじみ感じました.
by yas-shi (2006-10-10 21:29) 

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