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ケータイ業界と福祉業界の微妙すぎるバランス [e-AT・AAC(コラム)]

モバイル系(ケータイ系)のニュースはある程度勝手に向こうからやってきてくれるんでblogのネタにしやすいよね.ということで…

 ドコモ、ソフトバンク“かんたん携帯”の製造・販売等差し止めを求める仮処分命令を申し立て (IT media +d)

 ドコモ、ソフトバンク「821T」製造/販売差止で仮処分申請 (ケータイ Watch)

 ドコモ、ソフトバンクモバイルに「821T」の販売差し止め要求--らくらくホンに酷似 (CNET Japan)

一応福祉関連のことに関わって10年め(含む学生時代)なので一応フォローっぽいことは先に入れておきますが….確かに福祉機器っておんなじような形になってしまうことが多いんですよ.例えば車いす,例えば歩行器,例えばAAC機器.求めているものが非常に明確なだけに,落下点も同じようなところになってしまうことが多いわけですよ.でもねぇ,今回のこの件に関しては…

ドコモ・富士通側を支持します.理由は2つ.

まずひとつめ.これまでも何度か記事にしてきたことだけど,シニア向け携帯の分野はまだまだ成熟しきっていないんですよ.一般携帯の場合,私みたいな物好きもいるので,それこそデザインやら機能やら色やら,そりゃまぁこんなにあるんかいな,って言いたくなるくらい種類があるわけですよね.でも,シニア向け携帯(どちらかというとちょっと機能を付加したレベルのシニアケータイね)の場合,「だれが」「いつ」「どのような状態で」「どのような」電話を明確にして作られているモノってまだ無いと思うのよ,私の知る範囲では.
#ただ例外はあって今は亡きツーカーの「ツーカーS」くらいに割り切ってしまうと明確だわな.

つまりですね.シニア向け携帯の落下点は正直なところ見えてないし,ケータイ慣れした人だって年を取る訳だから落下点は多分これからもドンドン変わっていく.そんな状況においてこのデザインは….さすがにソフトバンク・東芝がパクったと言われても仕方がないかなぁ,という気はします.もっとも,極々稀に「たまたま落下点が同じようなところになってしまった」機器もありますが…今回はなぁ…違う気がする.

ふたつめ.これはまぁあくまで私自身が考えていることなんで軽く考えてくれていいんですが,J-PHONE→Vodafone→SoftBankと名称が変わってきたこの会社,子ども向け携帯も後発だし,シニア向け携帯も今回の「かんたん携帯」こと「812T」が第一弾ですよね.こういった類のちょっと特殊なセグメント向けの携帯電話に関するノウハウってないと思うのよね.だからひとつめの「今回はなぁ…違う気がする」訳なんですが.

企業にはポリシーがあって例えば表立ってではないけど「ウチの会社は福祉系のサービスはしない」ってのはあっても仕方が無いと思うのよ,一般企業の場合ね.でもですね,携帯電話も含めた電話会社とか公共交通を担う会社,自治体など大きく公共に関わっている団体の場合は必要だと子どもや高齢者,心身の不自由な方のことを考えたサービスをしなきゃいかんと考えるわけですよ,私は.

このようなサービスはまだまだ発展途上だけど,他の携帯電話会社ではいろいろ試みられたじゃない.いろんなセグメント向けの商品を作ってみたりね.J-PHONE時代から障害者向け割引サービスがあったことは承知の上で書くけども,今頃になってシニア向け携帯は対応が遅すぎだ.そしてその上しくじった.だから今回の件はどうあがいてもソフトバンク・東芝に関してサポートできるコトバが見当たらないんですよ.パクり,パクられのレベルとはまた別に.

なんかD800iDSの件以来,ケータイ業界にはイメージ沸きにくいと思うケド「そこはかとな~く不信感がありそう」な感じなんでね.パソコンの入力支援も新OSが出るたびにドタバタ劇が繰り返されるけど,ケータイの商品サイクルを見てるとなぁ,入力支援できるケータイの再興っていつになるんだろうか?なんて思っている次第.

ちょっとブルー入りましたが,今日はこんなところで.


「心を読み取る」とな…? [e-AT・AAC(コラム)]

やはり自称コミュニケーション機器の専門家(注:初めて言ってみた,かなり恥ずい…)としてはこういうネタは興味があるんですよ.

 「心を読み取るシステム」:脳にある視覚情報の解読に成功 (WIRED VISION)

重度の神経疾患たとえばALSなどがそうですが,思考は正常なのに体が動かなくなり,球マヒが出たり人工呼吸器をつけるなどの理由でコミュニケーションに支障が出るケースが多いんですな.私の勤めている会社も含めていろいろなバックボーンを持つメーカーが「会話補助装置」や「意思伝達装置」,それを操作するための「スイッチ」を販売しているし,もっといろいろなケースに適用できないか研究が進められている分野なんですね.

今回のWIRED VISIONの記事の中にも書かれているので少し引用しますが,
(略)身体に麻痺を抱える人たちの社会参加を支援するインターフェースなど、今はまだ空想レベルに過ぎないような目的にも、この解読モデルを使用できる可能性がある。
まさにこのことを記事の最初を読んだときに考えたわけです.

現在のところ日本で最重度の方の使うスイッチというのが大きく分けて2種類あって,1つはテクノスジャパンマクトスに代表される「脳波を使用したスイッチ」であり,もう1つは日立製作所が研究開発した心語りのような「脳血流を使用したスイッチ」があります.今回のこの記事に書いている内容から察するに,この技術をコミュニケーション機器として使用するとしたら「脳の血流をリアルタイムにスキャンする」ということなので後者に近いものと考えてよいと思いますが,ユーザインタフェイスの仕様次第ではYes/Noの判定のみではなくかなり細かいコトができそうな気がしますね.

また逆もまた然り的なことなんですが,
この解読システムをさらに改良すれば、視覚的注意にかかわる現象(複雑な風景のうち、ある部分だけに注意が向き、その周囲が見えなくなる現象)を調べるのに役立つ可能性がある。これは、まだあまりよくわかっていない複雑な「心の目」の解明につながる。
ということは人工的に視覚をコントロールすることも無理では無さそうな感じですので,例えば聴覚障害のある方が使用している人工内耳的に,視覚障害のある方に対して「人工の目」を提供する,なんてことが可能になるかもしれませんね.

いずれにせよまだまだ研究段階のコトなんで,何時ごろ実用化されるか見当もつかないというのが実情ですし,仮に実用化されたとしてその費用がいくらになるのか想像もつかないところですが,なかなかそそられる記事だなぁ,ということで取り上げてみました.今日はこんなところで!


三菱電機携帯事業撤退でどうなる?D800iDS… [e-AT・AAC(コラム)]

1年ちょっと前にかなり興奮しつつこんな記事を買いたんですよねぇ.

 支援機器的にD800iDSを考えてみよう その1

「その2」がないのはこの際どうでも良いので….三菱電機携帯電話事業から撤退ですか.う~ん….もちろん企業は利益を出すのは当然のことで,三菱撤退も別におかしくも何にもないことなんだけどねぇ,やっぱ気になるのよD800iDSの件は.

やはり支援機器をよく知っている方の間では話題になっているようで,とりあえずいろいろと確認したところD800iDSに関しては「販売は現在在庫分のみ」「アフターフォローに関しては未定」らしいところまでは分かったんだけども.一体どうなることやらというところで.

D800iDSに関しては研究段階から公の施設が関わっていたこともあるので安心して購入した人も多いと思うのよね.三菱電機さんにはキレイに引き際を飾ってもらって,他社メーカーなりNTTドコモなりがきっちりフォローできる体制ができることを望みます.

何せ市販のケータイで改造することなく1スイッチのオートスキャン,2スイッチのステップスキャンの操作が可能,タッチパネルを利用した文字入力機能もあるなんつう非常に画期的な商品だったからね.ちょっと切ないです.

まぁ,気分は重いけど文章は短く軽めに今日はこんなところで.
#うちの会社が発行している冊子の発行直後にこの出来事でかな~り呆然です….


「あいうえおキーボード」と「チェリーの茶軸」 [e-AT・AAC(コラム)]

昨日,会社で調べ物をしていて見つけたんですが…,テクノツールさん,なんかすんごいの開発しましたね~.

 あいうえおキーボード (テクノツール)

 テクノツール、五十音表配列の「あいうえおキーボード」 (PC Watch)

支援機器に関わりのある方ならテクノツールさんのことは説明不要ですよね.肢体不自由と視覚障害の両方の製品をコレだけ充実した内容で開発・販売しているメーカーさんって正直テクノツールさんくらいじゃないでしょうか?私が学生だった頃から「小型ひらがなキーボード」は販売されていたし,営業をやっていた頃に販売したこともあったなぁ,それもAT互換機だけじゃなくって,PC-98シリーズのも.

シリアルキーデバイスを使用した「トーキングエイド」のキーボード機能が,どういう訳だかWindowsNT系のパソコンでは動作しない(つまりはWindows2000やXPでは使えない)となったときには「トーキングエイド用USBアダプタ」を作ったし,「オペレートナビ」のスイッチ接続ツール「オペレートナビ用スイッチコネクタ」や「伝の心」の赤外線リモコンにも採用されている「なんでもIR」を作って販売しているのな.驚くのはどれもが他のメーカーとコラボレートしているということ(「トーキングエイド」→ナムコ/「オペレートナビ」→NEC/「伝の心」→日立).かなり社会貢献度の高い会社だと思います,テクノツールさんは.

さて,ここまで書いたところで「あいうえおキーボード」の話に戻りましょう.このキーボードで驚いたのはメンブレンタイプではなく,キーボードマニアの方にはおなじみの「チェリーの茶軸」を使っているところですね.この点が若干価格を上げているような気がしないでもないですが:),きちんとしたものを使っているという安心感と高級品を持っているという満足感を考えると,チェリー茶軸を使った意図が見える気がします.

あくまで「あいうえお」配列としての完成度を高めるために配列が若干特殊になっています.一応QWERTY配列のキーボードとしても使用可能だけど,さすがにそれは使いにくいでしょうね.どうしても支援機器を扱っている立場上,なんとな~くなぜQWERTY配列を残したのか邪推してしまいますが,それは置いときましょう.できれば専用のキーガードが欲しい気がしますが…あ,そうか,テクノツールさんキーガードも販売してましたね.コレは失礼.

共用品とみるか支援機器とみるかいろいろな考えがあるかとは思いますが,なかなか面白い商品ではないでしょうか.今日はこんなところで.では~.


昨日の続き (福祉情報技術コーディネーターのすべきことって何なんでしょうか…) [e-AT・AAC(コラム)]

昨日の記事の続き.非常に有意義なコメントを頂きましたので,返答を記事として書かせていただきます.

kemさま,コメント書込みありがとうございます(コメント全文はこちらからご覧ください).
NHSCのサイト,時々拝見しています.熱心に福祉情報技術を世に広げる活動をされていて,非常に好感が持てました.koko-mailでも勉強会やイベントのご案内をされてますよね.

ではkemさまが気になる箇所に対する私の考えを書かせていただきますね.

>>1.パソボラ的な位置付けとしか周りが認識していないのでは、もし、仕事としての資格であるなら、福祉住環境のように広がるような気がします。

福祉情報技術コーディネーター認定試験がスタートときには,私の勤めている会社をはじめとしたAAC系・AT系製品を多く扱う業者では必須の資格になるよ,といろいろな先生方はおっしゃっておられました.資格がスタートして5年以上経ちますが,別に私にとっては資格があっても無くてもあまり変わらないような状態が続いています.他の業者さんは我がP社よりは資格をもっているところもあるようですが.仕事に活かせるかどうか,突っ込んで話したことがないですね(本当は自分が変わらなきゃいけないのかもしれないですが).

>>2.資格としてとしてみたとき、支援体制構築法と、リスクマネージメントと情報整理、心理学、最新制度情報提供などがあまりにも中途半端と他の同じような資格と比べると薄いようで、教科の抜本的見直しが必要な気がします。
(中略) そして、試験の話しですが、1級の方がもしかして、浅く広すぎたような気がしました。でも、さっきもいったようにどこへ向かってているのか判りません。パソボラ育成なら、専門性は必要ないのに・・・。日頃の福祉・教育・医療・制度の情報をいったいどうまとめて、集めたらよいのかをきちんとまとめておかないと大変と感じています。

ぶっちゃけたところを書いてしまうと,私もkemさまのお考えに近いものを感じています.

私もこの試験内容に関しては専門的な問題が出たとは言っても「広く浅い」と思っています.全般的な知識に関してはそれでいいんですし,資格を取る上での試験がそのようなものであってもいいんですが,問題は本当にユーザーさんのところに行ってサポートをすることと,「広く浅い」知識を持っていることは全く違うことなんですよね.

資格を持っていても様々なことに迫られて,いろいろな面で情報収集をする必要がでてきます.ところがこの活動をやっているのはATACの行なっているカンファレンスとセミナー,一部の販売店と熱心なパソコンボランティアの方というように資格者間の情報のやりとりが他の資格に比べて極めて希薄かな感じがしています.

資格を取ったからといって全てのことに精通している訳ではないので,参考書を再読しても情報は古いままですし,有資格者の有志を募って情報のやりとりができる場があった方が良いのでは,と常々思っています.

>>ただ、ユニバーサル資格や言語聴覚士、作業療法士、教師などなどあまりにも行政的な守備範囲や独立法人はあまりにも多すぎて、もう少し整理すべき時期のような気がしていると思うのはわたしだでしょうか?

このあたりについては個人的には,ボランティアの方が取る資格と私のように仕事に活かしたいと思って取る資格が全く同じっていうのも奇妙な感じがしますね.話を広げるとややこしくなるので簡単に書きますが,すでに他の資格(医療関係職,福祉関係職,教育関係職)を持っている方が免除されていることもあり,この「福祉情報技術コーディネーター」がやるべき,目指すべきことが何なのか,かなりぼやけてしまっているのが気になっています.

>>改めて方向性が問われる時期のようです。

kemさまのお考えとは若干異なるかもしれませんが,方向性が問われる時期という点には同意です.

とりとめもない話しになりました。現在月二回、福祉情報技術の勉強会をしています。

こちらこそいろいろなことを考えることができて非常に有意義でした.勉強会がんばってくださいね!試験の合格を心よりお祈りいたします.

ということで今日はこんなところで…


なんかどんどん専門的になってきてない? [e-AT・AAC(コラム)]

えーとあの「福祉情報技術コーディネーター認定試験」が7月22日に行なわれたとのコト.私がこの試験を受けたのは,地獄の底を這いずりまわっていた約2年前,2005年10月(競馬ファンに分かりやすく言うとディープインパクトが無敗三冠を達成した日)のこと.

その試験内容変更が発表されたのが去年の春.このあたりは言いたいこともあるが,それはその際の記事に書いているので,ここでは置いておこう.でもなぁ,いろんなサイトで今回の問題の一部を見ると,この試験に対する参考図書3冊(詳解 福祉情報技術〈1〉障害とテクノロジー編―福祉とテクノロジーの共存をめざして詳解 福祉情報技術〈2〉生活を支援する技術編―福祉とテクノロジーの共存をめざして福祉情報技術コーディネーター認定試験―速習・独習テキスト)だけで試験に臨むことができるのだろうかと,とかなり心配になってきた.

これも何度か書いたことだが,参考書3冊が出版されたのは2003年.WindowsXP,MacOS Xがリリースされた次の年のことだ.その後2004~2006年にかけて福祉制度が変わり~の,特別支援教育が本格的にスタートし~の,今年に入ってWindowsVistaがリリースされ~のと周辺状況が大幅に変わっているのに,まだ参考書は変わる気配はない.やる気と費用があればe-AT利用促進協会監修e-ATonlineで勉強すれば良いのかもしれないが….

ちなみにあるところで読んだ,点訳の問題は参考書に記載されていないかなり専門的な問題だし,WindowsVistaのアクセシビリティ問題も当然記載されていない(多分WindowsXPの知識があれば回答できる「ユーザー補助」系の問題だと思われる).どこまでの専門性を求めるかをはっきりしておく必要があるのではないかと感じるのだがいかがなものか.あとは前回の試験問題の一部を微妙に変更した引っかけ問題があったらしいが…ま,これはどんな試験でもあるけど(引っかけ問題をやったところで本来福祉情報技術コーディネーターになってから活かせることって皆無と思うが…それは大人の都合もあるだろうからこれ以上は突っ込まないで置こう).

一応「福祉情報技術コーディネーター」関連のネット上の情報はちょくちょく見ているので,何かがあればご報告したい.というか,
この記事を見ている受験者の皆さ~ん,資格所持者の皆さ~ん,良ければどこかで答え合わせしません?
今後受験される皆さまのためにも.もしよろしければご連絡くださいませ.

今日はこんなところで.


シニア向け携帯のターゲットって… [e-AT・AAC(コラム)]

例によってYahoo!のトップにあった記事からネタを取ってきて…と.

 低調なシニア向けケータイ、40歳以上で5%未満 (japan.internet.com)

ちょっと待て!これ調査の母集団おかしくないか?シニア向け携帯の対象ってもっと年齢層の高いところにあるんじゃないか?

個人的な見解だが,インベーダーゲーム~ファミコンの発売時期に壮年期だった人,手っ取り早くいうと第1次ベビーブーマーな,大体60歳前後だわな.大体この世代の人なら家で子どもとファミコンやったり,営業の合間にインベーダーゲームでサボタージュしたり,定年間際になって会社にパソコンが導入されたりで,普通の携帯を使うことに抵抗の無い人だと思うのよ.その人たちがぎりぎり対象者の下限で,それより上の高齢者がターゲットじゃないの,シニア向け携帯って.

で,この調査の問題点は世代別の比率は分かっているものの,世代別の利用率を公表していないところね.それに加えて世代別の構成比も40歳代が53.3%という極端な比率になっており,イマイチ信頼性に欠ける調査だと思うがいかがなものか.ドコモもauも40歳代はシニア向け携帯のターゲットに入っていないと思うぞ….せめてプロスポーツ選手が「シニア」と呼ばれる50歳以上,もしくは高齢者と呼ばれる60歳以上のデータなら説得力のある調査だと思うんだけどなぁ.
#多分有償の詳細データの方にそのあたりのことが書かれているんだろうなぁ.

携帯電話に関してはキッズ向け,福祉向け,シニア向けのもののネタをいつかまとめなきゃ,と思いつつずっとず~っと先延ばしになっているんだけどね.この調査に関しては,自分なりの考えをまとめる上での参考にはさせてもらうけども….ちょっとデータに関しては意義アリ!な感じがしたわ.とりあえず今日はこんなところで.


Webサイトで紹介されているのに販売されていない商品,しょぼ~ん [e-AT・AAC(コラム)]

この業界,特に電子情報支援機器の分野に関わっていると,「ニーズはあるのに存在しない製品」が現れることがある.それは現在の技術では実現不可能である場合もあるし,昨日までオンリーワンの製品として普通に販売されていたものが突然今日になると販売終了になっていたり,そこは一般市場と同じようにいろいろなケースが想定される訳だ(まぁはっきり書いてしまうと後者の方が多いのだが).

後輩の営業マンから「こんな商品ありませんか?」という質問を受け,すぐにある製品を見つけてメーカーに連絡を取らせたところ「もう販売していません」となり,実は現在自分勝手にテンパっている.いや,だから私がテンパってもしゃーないのだが….

なんとか後輩の言っていること=お客様のニーズを少しでも満たせるような製品を一般市場も含めて探しているのだが,う~ん,どんなに検索しても見つかりゃしない.今普通に販売されている支援機器の製品で裏ワザ的な方法でなんとかならんか,とは考えているが考えている方法で思ったとおり動作するかどうかメーカーに確認してみりゃならんし,そもそも元々販売されていた商品との価格差が5~10倍もある状況で.

となると逆に本来の目的とは違うし動作する可能性も低いが,非常に安価に販売されている製品を使って,これまた裏ワザチックな方法を使う方法もあるにはあるにはある.しか~し,うちんきのリモコンで試したところなんとすべてダメ!う~ん,一応メーカーに確認をとってどの方法が良いか,営業マンに決めてもらおう.現在製品がないならきちんとお客様にそう伝える必要があるしね.

最後の手段として技術ボランティアの方を紹介するという方法もあるにはあるが,ボランティアの方に悪意はないけどアフターサポートを考えるとちょっと今回のケースは厳しそうで.ホント,ボランティアの方にはいろいろと私達が知っている範囲だけでなく,本当に日向・日陰でいろいろなことをなさっていて頭が上がらないのだが,ボランティアの方に頼らなければいけないところがある,というところがコミュニケーション機器やら電子情報支援機器の問題点だなぁ,とつくづく思ってしまう.

まぁ逆に言えばそこがビジネスチャンスでもあるんだけど.今日はある程度のことを調べたんで,明日営業マンと話をしよう.なんとか前に進まないと.


簡単だけど奥深い [e-AT・AAC(コラム)]

仕事のお話も絡めて.私の業務の中にはデモ機のメンテナンスつうのもあるのだが,そこで感じること.この夏休み前後の時期は展示会も多く,当然メンテする機器の数も増える.

最近よく感じるのがVOCAのメッセージのこと.自分なりに編み出したメンテナンス手順で1度はお客様もしくは営業マンから帰ってきたVOCAの音が出るかどうかを確認するのな,理由はもし故障していた場合,どこで壊れたかをはっきりするため.ということで営業マンが展示会で録音したであろうメッセージを聞くこともある.

基本的にVOCAに録音するメッセージの内容は「これが正しい」というものは存在しない.あえていうなら「こうした方が良いよ」「この年齢の子ならこんなこと言うかなぁ,だったらこんなメッセージを入れようか」というのがあるくらいで,それも考え方によりけりな部分が多い.このあたりうちの会社が代理店になっている3つの海外メーカーの考え方にも違いがあるのでなかなか面白い部分ではあるのだが…

営業マンの録音内容を聞くと「これは良いね」と思うときや「これはないやろ」的な場合もあるのよ.私が勝手に盟友と思い,一番VOCAの展示向けのメッセージを作らせたらうまいと思う彼は,現地で何があったのか分からないのだが,録音したメッセージが何故か外国人なまりになっていた.あまりのおかしさにメンテしながら笑ろてしもたがな.

ちなみにかな~り以前,彼と数回展示に立ったのだが,彼がそこで開発したのがVOCA漫才.1メッセージタイプ(ビッグマック)のVOCAにツッコミを入れておいて,シーケンスタイプ(ステップバイステップ)や複数キータイプ(スーパートーカー)のVOCAにボケを入れておく.コレはお客様にうけた.うけただけではなく機器の特徴まで簡単に分かるという優れものだった.またどこかで使ってみようかな,VOCA漫才.

一方でちょっとしょぼ~んしてしまうのはウチで販売している2キータイプのVOCA「アイトーク」に「はい」「いいえ」のメッセージが入っていたときかなぁ….使い方として間違っては無いんだけども,「選択する楽しみ」をユーザーさんに味わっていただくのが醍醐味のVOCAでそれをやるのはどうなの,と思ってしまう訳ですよ.

体調の関係もあり内勤中心の私ができたこと.それはこんなメッセージを入れてみてよ,というのをメンテナンスを兼ねて入れて録音しておくことかな,と最近思っているのよ.正直以前はホントにメンテナンスだけしてたので,例えばビッグマックに「おはようございます」とだけ入れていたのね.今にして思うとあまりにもありきたりで面白くない.多分ユーザーさんもつまらないんじゃないかなぁ.

だから同じ「おはようございます」でもこんな感じに変えてみるとどうかな.簡単なことだけど,お母さん・お父さんに対する「おはようございます」,友達に対する「おはようございます」,先生に対する「おはようございます」,学校のバスの運転手さんに対する「おはようございます」….全部同じじゃないわな.この辺りを考えてメッセージを入れているんですな.

結構VOCAユーザーの方のブログなんかもあるし結構参考になると思うので,興味のある方,一度検索してみては如何?VOCAって簡単なようで奥深いから考えるとキリ無いけど面白いよなぁ,なんてこの文章書いて改めて感じた.体調も9割方回復したし,そろそろ全開走行でいくかな.ふぅなんだかまとまってないような気もするけど,今日はこんな感じで.


もちろんタッチタイプができるにこしたことはないわけだけども [e-AT・AAC(コラム)]

Yahoo!のトップに面白げな記事があったのでそれを下敷きに….

 約40%が「タッチタイピング」できる~タイピングに関する調査 (japan.internet.com)

つい最近までキーボードをネタに記事を書くことが多かったのでこれをベースに記事にしてみよう.まず,せっかくなので書いておくと私は一応タッチタイプはできる,ただし自己流で覚えたのでスピードは遅く,指が一般的なホームポジションとは異なるためかなり怪しいタイピングをしている.使いやすいと感じるのはこれまでも書いてきたとおり英語配列のキーボードかな(会社では日本語配列使ってるけど…こそっと持って行ってみようかな…).あと情報系の高校・高専・大学の一部では予め入学直後にタッチタイプができるように練習させられるところもあるみたいね.うちの大学は無かったけど;(.

もちろん私が仕事をする上でキーボードを打つ機会は非常に多いのはいうまでもない.プライベートでもこんな文章書いてるくらいだし.ちなみに英語配列好みなのは何回も書いたことだが,学生時代に画像処理の研究していた頃使用していた端末がサンマイクロシステムズ社のSPARC及びその互換のもので,よく使う端末がたまたま英語配列だっただけのこと.今となっては懐かしいものだが,クセは抜けずにプライベートでは英語配列のものを使ってる訳ね.ただ,正直に書く.私の場合英語配列だろうと日本語配列だろうと大して入力速度が変わる訳ではない.なんというか…その,実を取り損ねているというか…意味が無いとか…見栄っ張りというか…ま,いっか.

そんなこんなでタッチタイプなのだが,あくまで私見で書かせてもらう.
 別にタッチタイプできなくてもいいじゃん!他の方法で入力を速くさせることができるんならさ.
これかな,今日言いたいのは.簡単な方法だと,IMEの用語登録を利用して2~3文字を漢字変換したときに長い単語や文章を入力できるようにする,とか,単語予測機能を使う,とか.方法はいろいろあるじゃない.

実際以前同じ部署にいた女性は「かぶ」と入力して変換すると取引先の株式会社が一斉に表示されるようになっていた.初めてそのマシンで仕事をしたときそのような設定になっているとは知らず結構あせった.…正直やりすぎとは思った.が,彼女がこの機能をうまく利用していたことが分かる話しかと思う.最近のケータイだと単語予測がついているのがデフォルトみたくなってるしね.つか,某社のモバイルフォン,ここでは仮にSと読んでおこう,ATOKで単語予測機能を外してないとパスワードダダ漏れになるの,何とかならんのか,目のつけどころが鋭い会社さん.

こんな考え方をするのもやっぱり福祉系の仕事に携わっているからだろうなぁと思う.人によって様々だが,通常のキーボードだと間違ってキーを押してしまうためキーガードをつけるとか,大きいキーボードや小さいキーボードを使うとか,配列を簡単に分かるようにするため「あいうえお」配列のキーボードを使うとか,マウスだけで画面上にあるキーボード(オンスクリーンキーボード)を使って文字を入力するとか,瞬きの動きだけでパソコンの操作を行ない文字を入力するとか.いろいろな方法があって,どれが正しいとかどれが優れているとか,そんなことはあまり大きな意味を無さないことが多いと思ってしまうわけよねぇ.ただ,そういった人がいかに楽にいかに速く入力を行なうことができないか,というのは今もって研究がなされているのが現状なんだな.

ということで長くなってまとまりがつかなくなってしまいましたが,「正しいタッチタイプができない」わにべーことyas-shiがお送りいたしました.では~.


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