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ルノーの甘いワナ(2006F1第11戦フランスGP) [F1]

7月16日,フランスの田園地帯にあるマニクール・サーキットで行われたフランスGPを回顧.前戦アメリカGPで1-2フィニッシュを果たしたフェラーリ.ここフランスでも好調を持続できるのか?では早速.

  • フェラーリ2戦連続でフロントロウ独占
    今回から若干予選形式が変わったのだが,その点に関してはさほど大きな違いがないので省略.ここでもM.シューマッハ(フェラーリ)とマッサ(フェラーリ)が好調を持続し,見事フロウトロウをフェラーリが独占.アメリカGPに関しては,インディカーやチャンプカーにもタイヤ供給の経験のあるブリヂストンがインディアナポリスにあったタイヤを持ってきたというのが結果に繋がったものと思うが,ここでもかという感じ.とくにマニクールはμが高く滑らかな路面でかつ低速コーナーが多いということで,全く北米ラウンドとは性質の違うコースなのだが,ここにあったタイヤをよく開発できたな,というのが感想.その証拠に今期からブリヂストンタイヤに履き替えたトヨタに関してもトゥルーリ(トヨタ)5番手,R.シューマッハ(トヨタ)6番手と好位置につくことができている.ブリヂストンとしてはミシュランの地元でいいところを見せたいんだろうなぁと邪推,つかミシュランは今年限りでF1から撤退するので,勝ち逃げは許さん,といったところか.
    とはいうもののアロンソ(ルノー)は相変わらず安定していて3番手を獲得.マクラーレンはシーズン終了を待たずして古巣なのに新天地(CART時代に所属したチップ・ガナッシに移籍,行なうレースは箱車のNASCAR)に去っていったモントーヤのショックもあるのか,ライコネン(マクラーレン・メルセデス)が6番手,デ・ラ・ロサ(マクラーレン・メルセデス)が8番手.そうか,トヨタか見事に3強に割り込んだ訳か.ホンダは両者とも不甲斐ない予選結果,バリチェロ(ホンダ)14番手,バトン(ホンダ)が19番手…今期序盤のバトンの連続フロントロウは一体なんだったのだろう….斬新すぎる空力パーツ(ドライバーの前というかフロントのサスペンションの付け根付近でバンザイをしているやつ)で注目されたザウバーBMW.初日フリー走行でクビカ(ザウバーBMWサードドライバーがトップに立ったが予選はいつものとおり.あれって効果あるのかなぁ…視界を遮って邪魔だと思うのだが.残念ながら佐藤(スーパーアグリ・ホンダ)はセッティングが決まらないまま予選に望み22番手最後方からのスタートとなった.
  • スタート!上位陣は粛々と…あれ佐藤は?
    レッドランプが消え各車スタート.フェラーリ2台とアロンソはそのままの体制で1コーナー~エストリルコーナーを通過する.アロンソが仕掛けるも順位が変わるまでには至らない.大きなアクシデントは無かったが,後方で寂しく佐藤がレースを終える.ダミーグリッドを離れるときから駆動系トラブルを抱えてるっぽかったが,結局クラッチトラブルということで1周もできないのは辛いなぁ….スーパーアグリは次戦ドイツGPから新車(SA06)が投入予定.期待しておこう.
  • マッサがんばる
    フェラーリはマッサができる限りアロンソを押さえ,M.シューマッハを逃がすというファーストドライバーを勝たせるお手本のような作戦.M.シューマッハが速いのかマッサが遅いのか,まぁそれは置いておいて1回めのピットストップまではこの状態が続いていく.
  • ピットストップ1回め
    マッサが16週めにピットイン,特にトラブルこともなく作業消化.次の周にアロンソがピットに,コチラも問題なし.1周の間に2位浮上を狙うかと思ったがごくごく普通にアロンソの真後ろに戻る.これが実はルノーの作戦だったとは…それは後に気付くこと.次の周にM.シューマッハがピットイン,問題なし.この間2回ストップを予定していたトヨタの2台が一時的に1-2フォーメーションを築く.トゥルーリ,R.シューマッハともにラップリーダーを記録.やればできるじゃんと思ったが…
  • トヨタ,ピット作業で失態
    問題はR.シューマッハの1回めのピット作業.左リアタイヤの交換に手間取り10秒以上のタイムロス.もったいない….ホンダがピット作業を失敗するのはもう見慣れてしまったが(と書かれるホンダもなんだかなぁだが…),トヨタが表彰台を狙ってきたこのGPでやってしまうとは.結局R.シューマッハはこのロスタイムが響き4位でフィニッシュ.本人曰く,あのロスが無ければ表彰台はあった,まさにそのとおり.一方のトゥルーリはピット作業に問題もなく上位を走行するもトラブルでリタイア.マシントラブルが発生する方のピット作業がうまくいき,そうでない方の作業に失敗する.レースって難しい.
  • アロンソのワナ
    32周めのライコネンのピットインをきっかけに各車2度めのピット.34週め,マッサ,ピットイン.それから4周遅れてM.シューマッハがピットに.フェラーリ勢は給油時間から3回ストップであることが分かる.さらにM.シューマッハから遅れること4周の42週めアロンソがピットイン.給油時間が長い!ここでアロンソの2ストップ作戦が明確になる.だからマッサに強烈なプレッシャーは与えてなかったのか.マッサはそのワナにかかり3回めのピットストップで3番手に後退してしまうのだった.
  • M.シューマッハ連勝!でも
    十分なマージンを持っていたM.シューマッハ,最後はクルージングを見せ余裕を持っての優勝で連勝.でも,追いかけるアロンソが2位に入り,連勝にも関わらずポイント差は2ポイントしか詰まらない.3位にマッサ.2ストップにできたかも,と言うのは簡単だが,タイヤのことを考えると作戦的に3ストップで私は正解だったと思う.マッサがプッシュしなかったのかできなかったのか,アロンソに対しある程度のマージンを取れなかったのが悔やまれるところ.以下,R.シューマッハ,ライコネン,フィジケラ,デ・ラ・ロサ,ハイドフェルド(ザウバーBMW)までが入賞.16台が完走となった.

先ほども書いたがM.シューマッハとアロンソの差は2ポイントしか詰まらず17ポイント差となった.前回書くのを忘れていたが,実は今のところM.シューマッハの自力チャンピオンの可能性は消えている.M.シューマッハが残り7戦を全て勝ったとして149ポイント,対するアロンソは全て2位でも152ポイント.野球風に書くとアロンソのマジックポイントは54である.つまりはマッサがアロンソの上で入賞しない限り,アロンソはM.シューマッハを無理して追わなくてもチャンピオンになってしまうのだ!ということでセカンドドライバーの重要性が今後クローズアップされて来る,と私は思うのだ

次戦,第12戦はドイツの黒い森の中にぽっかり浮かんだホッケンハイムリンクでのドイツGP.高速サーキットだったのは今は昔.タイトなコーナーの多いテクニカルサーキットである.シューマッハ兄弟だけでなくハイドフェルド,メルセデス,BMWにとっても地元GPとなる(トヨタにとっても準地元).今回はルノーの地元でミシュランまでもをうっちゃったM.シューマッハ・フェラーリ・ブリヂストンのパッケージだがドイツGPではどうか?決勝は7月30日,お楽しみに!


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コメント 2

japanjapanjan

こんばんは。
TBありがとうございました。

マッサがあと少し頑張ってもらいたかったのですが、
ルノーの3ストップから2ストップに変えるところは
さすがという感じでした。

チャンピオン争いが接戦になって欲しいので、
マッサに頑張ってもらいたい!
あとライコネン!
by japanjapanjan (2006-07-19 12:17) 

yas-shi

japanjapanjanさま,コメントありがとうございます.
現実的にアロンソのチャンピオン獲得を阻止できる可能性があるのは
シューマッハ兄だけなのですが,本文中にもあるよう
セカンドドライバーのマッサの働きが必須だと思います.
願わくばマクラーレンが奮起し,ライコネンがアロンソのポイントを
喰うようなことがあればもう少し今シーズン楽しめるかな~,
なんて考えております.
ということで私はライコネンがんばれ!と書いておきましょう.
by yas-shi (2006-07-19 23:00) 

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