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1秒を隠し持つ走り(2006F1第5戦ヨーロッパGP) [F1]

5月7日,ドイツ・ニュルブルクリンクサーキットで行なわれた2006年F1第5戦ヨーロッパGPを回顧.決勝当日の天候は晴.第4戦サンマリノGPではM.シューマッハ(フェラーリ)とアロンソ(ルノー)の好バトルの末、フェラーリが久々の勝利を収めたが,ここではどうなのか.では,いつものように…

  • アロンソPP,2番グリッドM.シューマッハ
    まず予選第1セッション,赤旗誤提示など混乱の中ノックアウトされたのはスーパーアグリの2台佐藤(スーパーアグリ・ホンダ)と井出から交代のモンタニー(スーパーアグリ・ホンダ),ミッドランドの2台アルバース(ミッドランド・トヨタ)とモンテイロ(ミッドランド・トヨタ),およびスピード(トロロッソ・コスワース)とクリエン(レッドブル・フェラーリ).クリエンは2戦連続セカンドチームに敗れてノックアウト,大丈夫だろうか?
    続く第2セッション,ここでもまたもや2戦連続でフィジケラ(ルノー)がノックアウト.ヴィルヌーブ(ザウバーBMW)のアウトラップに引っかかったのが原因なのだが….怒るフィジケラに同情はするが,今回の判定(ヴィルヌーブの第3セッションタイム抹消)は納得がいかない.フリーアタック形式の予選の場合,いかにしてクリーンなラップを取ることができるか,ということもドライバー・チームのテクニックだと思うからである.怒鳴り込む気持ちは分かるけどねぇ….最終第3セッション,チームとして速かったのはフェラーリ,最終的にM.シューマッハが2番手,マッサが3番手となる.最後に逆転したのがアロンソ,見事にポールポジション獲得.このときは軽いタンクでタイムを出した,と思ったのだが….あとエンジン交換,予選妨害のタイム抹消でグリッドが錯綜.エンジン規定だけでも何とかならないのか?
  • スタート混乱,セーフティカー導入
    決勝スタート,マッサが好スタートを切り直線でM.シューマッハに並ぶもポジション変わるに至らず.ホールショットはアロンソが獲得する.1コーナーが鋭角でありなおかつ低速コーナーが続くレイアウトのため中段~後方で混乱発生.リウッツィ(トロロッソ・コスワース)がクルサード(レッドブル・フェラーリ)と接触しコース上にストップ.ギアがスタックしたためセーフティカー導入.クルサードはピットに戻るも結局リタイアとなる.
  • 予選アロンソは軽いタンクだったのか?
    結果はNo,ある程度燃料を搭載してアタックしていたことがピットインの段階で判明.フェラーリがフリー走行から速さを示していた中での地味なスーパーラップ.アロンソ,恐るべし!
  • ホンダとトヨタ,今回は
    予選で連続フロントロウを獲得していたバトン(ホンダ)だが予選は振るわず6番手,初めてチームメイトのバリチェロ(ホンダ)が上位に来る4番手となった.決勝でも明暗くっきり.バトンの車にエンジントラブル発生,リタイアとなる.一方のバリチェロ,地道に走って5位入賞を果たす.でもやっぱり予選より下位.荒れたレースだったのに….ホンダ,安定して速いラップを刻めるマシンとピット作業が当面の課題か.トヨタ勢も精彩を欠く.7番手スタートのトゥルーリ(トヨタ),1回めのピット作業終了後タイヤとのマッチングに苦しみ最終的に9位完走,こちらも予選より下….もっと悲惨なのはチームメイト,ここが地元ドイツのR.シューマッハ(トヨタ).10番手からスタートの混乱で下位に沈み,どうにかポイント圏内を走行し上位も狙えるか,というところでエンジントラブル,リタイアとなる.
  • マクラーレンに速さなし
    昨年は圧倒的なスピードを誇ったマクラーレン・メルセデス.まだまだマシンの熟成が足りないのかスピード不足.ライコネン(マクラーレン・メルセデス)は5番手スタート.じりじりと順位を上げピット作業のタイミングの妙でトップを走行.中盤~終盤はマッサに追いすがるが抜くには至らず4位入賞.チームメイト,モントーヤは8番手スタート.浮き沈みの激しい走りでヴィルヌーブ,フィジケラとバトルをするも光るところなし.結局エンジントラブルでリタイア….
  • 1秒を隠し持つ走り
    アラン・プロストの全盛時のお話.彼はいかなるときも無理をせず,常に1秒程度余裕を走行していた.このことを指したのが「1秒を隠し持つ走り」というコトバなのだが,今回それを見せたのがM.シューマッハ.1回めのピットではアロンソを攻略できなかった.これは作戦というよりも前述のアロンソの予選のスーパーラップに伴うものなのだが,M.シューマッハはあせらない.じっくりと2回めのピットストップを待つ.先に動いたアロンソがピットに入るやいなや,隠し持っていた1秒を繰り出し一気に見えない敵アロンソとの差を詰め,追い越す.アロンソから遅れること3周,M.シューマッハが2回めのピット作業を終了しコースに復帰すると…アロンソは後方に.勝負あり.
  • M.シューマッハ連勝,マッサ初表彰台
    結果終始危なげない走りを見せたM.シューマッハがサンマリノGPに続き自身の地元ドイツで連勝.2位にアロンソ,しっかりとポイントをもぎ取ってくる.3位が初表彰台のマッサ.フェラーリとしてはアロンソを交わしてポイントを奪って欲しいところだろうが,まずは表彰台.及第点と言ったところだろう.
    以下,ライコネン,バリチェロ,フィジケラ,ロズベルグ(ウィリアムズ・コスワース),ヴィルヌーブまでが入賞,ポイントを獲得.

最終的に完走13台.エンジン規定がかなり効いているのか完走率が6割を切る厳しいレースとなった.スーパーアグリの2台,佐藤とモンタニーはともに油圧系トラブルでリタイア.速さも大事だがその前に完走しないと….

第6戦,今度はディフェンディングチャンピオン・アロンソの地元凱旋レースとなるスペインGPは連戦となり決勝は5月14日,場所はおなじみバルセロナ郊外のカタルニアサーキット.地元でフェラーリの攻勢にどう立ち向かうのか,アロンソ.


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コメント 4

レプトン

久しぶりに速さと作戦のフェラーリが見れたレースでしたね。M.シューマッハが攻めるときの気合がTVからでも伝わってくるのですごいです。
今年に入ってからマクラーレンはジリジリという感じですけど、キレがないのが残念。
by レプトン (2006-05-10 02:17) 

yas-shi

レプトンさま,コメントありがとうございます.
私も今年の本命はマクラーレンだと思っていたんですけどね,
去年の速さ,勢いがありませんよね.
入賞するのが精一杯といった感じで….
転んでも只では起き上がってこないチームなので,
シーズン後半は立て直してくると思うのですが,
それまでにチャンピオンが決まっていそうでちょっと恐いです.
by yas-shi (2006-05-10 19:34) 

as

待ってました!yas-shiさんのF1レース分析。今回は予選から波乱気味でしたね。なんというか運営サイドのミスというのはどんなイベントでも後味が悪くなりますよね。そして、フィジケラの怒りは私の中では、ちょっとどうなのかなと思います。理由は勿論yas-shiさんと一緒です。

プロストの「一秒」の走り、読んで納得です。いつでも余裕を感じさせていた冷静なドライビングスタイルのプロスト。懐かしいですね~!今、ポロストの走りに一番近いのは、やはりシューマッハ兄さまでしょうか?
by as (2006-05-10 23:01) 

yas-shi

asさま,コメントありがとうございます.
今プロストに近い走りをするドライバーですか….
シューマッハってサンマリノGPのアロンソがミスをした後に,
ここぞとばかりタイムを上げているんですよね.
今回は2回めのピットストップ前にタイムを上げている.

勝負どころでタイムを叩き出すことができる,という意味ならば
シューマッハが近いかなと思います.
#若い頃のターミネーターと言われてた頃とは違い,
#円熟味が出ているなぁと感じます.

シーズンを通して考えると,勝てなくても着実にポイントを
獲得しているアロンソがプロストっぽいなぁ,
と思うこともあります.

プロストファンの人がどのように感じているかはよく分かりません.
#なにせ私,マンセルファンですから.
by yas-shi (2006-05-11 21:19) 

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