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ターニングポイント?(2006F1第10戦アメリカGP&第9戦カナダGP) [F1]

7月2日,アメリカンモータースポーツの聖地・インディアナポリスモータースポーツウェイで行なわれたアメリカGPを回顧.前週に行なわれたカナダGPについて回顧していないので,それについても若干触れたいと思う.この北米ラウンド,カナダGPが終了すると今年の前半9戦が終了.1週間というタイトなスケジュールで行なわれるアメリカGPが後半戦のスタートとなる.ここまではアロンソ(ルノー)が憎たらしいまでの完璧なシーズンを送っているが,この北米ラウンドはターニングポイントとなるのか?

  • カナダGPはいつものように
    カナダGPの行なわれるジル・ヴィルヌーブサーキットは普段は公園の周遊道として使われている半公道サーキット.直線とそれを繋ぐシケイン,ペアピンの組み合わせられたレイアウトのため非常にブレーキに厳しいサーキットである.また比較的高速なサーキットにも関わらずコースとウォールの距離が少なく,セーフティカーが介入することが多く,レース結果に大きく影響を与える.
    予選はアロンソ(ルノー)がPPを獲得.フィジケラ(ルノー)が続きフロントロウを独占.アロンソを追いかけるM.シューマッハ(フェラーリ)は5番グリッド,比較的燃料を搭載している模様.マクラーレンのライコネン(マクラーレン・メルセデス)はアロンソの真後ろ3番グリッドからのスタートとなる.
    決勝はドライコンディション,太陽が照りつけ路面温度も上がり気味.レーススタート.2周め,モントーヤ(マクラーレン・メルセデス)とロズベルグ(ウィリアムズ・コスワース)が接触.ロズベルグ車はウォールに激突するが幸い無傷.このクラッシュでセーフティカーが介入.
    セーフティカー走行中にフィジケラのスタートに関し審議が行なわれていることが画面上に表示される.結局スタートで順位を落としたフィジケラにジャンプスタートの裁定が下り,ドライブスルーペナルティが加えられる.レース後「ジャンプスタートだったから意識して順位を落としたのにペナルティを受けるのはおかしい」と発言….もうベテランなんだからフィジコ,大人になろうよ.ジャンプスタートと順位を落としたことを結びつけてペナルティが無くなる,なんてこと聞いたこと無いわ!つか昔ベルガー(現トロロッソ共同オーナー)がここでジャンプスタートで1分のタイム加算のペナルティを受けたことを思い出した.セーフティカー解除後はアロンソとライコネンの息の詰まる接近戦が繰り広げられる.
    1回めのピットストップ,上位陣で最初に飛び込んだのはトップを行くアロンソ,作業に問題はなし.次ライコネン.右リアタイヤのタイヤ交換に手間取ってしまい10秒以上タイムをロスしてしまう.M.シューマッハは前を行くトゥルーリ(トヨタ)を交わしタイムを上げ追い上げる.かなり1回めのピットストップを遅らせ33周めまで引っ張った.
    レース中盤から路面にタイヤかすが目立つようになり各ドライバーが挙動を乱したり,コースアウトが増えてくる.そんな中行なわれた2回めのピット作業,またまたライコネンにトラブル発生,なんとエンジンストール.またここで10秒以上のロスタイム.1回めはピットクルーのエラー,2回めは自分のエラー,合わせて20秒以上のタイムロス.これでは勝てるレースでも勝てない….マクラーレンにツキは無し.一応ライコネンはこの時点ではきわどくコースに戻りM.シューマッハの直前に戻る.
    さらに荒れる路面の中でクラッシュしたのが地元GPのヴィルヌーブ(ザウバーBMW).ウォールにヒットし2回めのセーフティカー介入.この時点で残り10周,超スプリント戦の様相を呈する.残り7周でセーフティカー解除,超スプリント戦スタート.再スタート直後は何事もない.が,残り2周いつの間にかM.シューマッハがライコネンを交わしていた!!結局そのままゴール.
    結果,優勝アロンソ,2位M.シューマッハ,3位ライコネン,以下フィジケラ,マッサ(フェラーリ),トゥルーリ,ハイドフェルド(ザウバーBMW),クルサード(レッドブル・フェラーリ)までが入賞.トゥルーリは今期初ポイント,クルサードは終盤バトン(ホンダ)を交わしてのポイントゲットとなった.佐藤(スーパーアグリ・ホンダ)はモンテイロ(ミッドランド・トヨタ)の前を走るも残り2周でクラッシュ,リザルト上は15位シンガリ完走扱いとなった.
    前半戦を象徴するような結果となってしまったカナダGPであった.
  • アメリカGP予選,フェラーリ絶好調
    インディアナポリス・モータースピードウェイはインディ500の行なわれるオーバルコースが有名だが,F1ではインディとは逆の時計回りで,アクセルべた踏みのオーバル部分とタイトなコーナーの続くインフィールドの組み合わせでレースが行なわれる.全くタイプの違う2つのサーキットがひとつになったようで非常にセッティングが難しい.なおかつターン11の立ち上がりからターン12でオーバルに入りターン13(インディでのターン1)を抜けホームストレートにわたる長い区間はエンジン全開.当然エンジンにもタイヤにも厳しいサーキットである.
    昨年はたった6台で争われたアメリカGP.今年はきちんとしたレースで勝ちたいのはM.シューマッハだろう.予選はそのフェラーリが絶好調.M.シューマッハがPP,2番手マッサで見事フロントロウを独占.現在ポイントランキングトップのアロンソはチームメイトのフィジケラとバリチェロ(ホンダ)にも遅れをとり5番グリッドからのスタートとなる.マクラーレンは燃料を積んだかライコネンは9番手,モントーヤは第3セッションに進めず11番グリッドだが…あまり燃料のこと関係ないな….
    ここでは下位グリッドで異変発生.トゥルーリ,ロズベルグといった上位陣のメンバーが第1セッションで姿を消している.そんな中佐藤は第2セッションには進めなかったものの上の2人とリウッツィ(トロロッソ・コスワース),モンタニー(スーパーアグリ・ホンダ)を押さえ18番グリッドを獲得.他者のトラブルもあったが佐藤が好タイムを出しいつもより上位のグリッドを得たのは事実.スーパーアグリのニューマシンの投入はドイツGPからとなったが,期待して良いのではないか,と個人的に思っているし,もっとミラクルを魅せて欲しいと思う.
  • スタート,一気にマシンが消えていく…
    レッドシグナルが消え各車スタート.最前列ではマッサがM.シューマッハを交わし見事ホールショットを獲得.アロンソもフィジケラ,バリチェロを交わし3番手に上がる.しかし後方で多重事故が発生,原因はライコネンにモントーヤが追突する同士討ち.そこから1コーナーのあちこちで接触が発生.中でもハイドフェルドは横方向に3回転する大クラッシュ.本人曰く「3回転は楽しい」とジョークを飛ばしたらしいが,無事で何より.このクラッシュでなんと7台(ライコネン・ハイドフェルド・モントーヤ・ウェバー(ウィリアムズ・コスワース)・スピード(トロロッソ・コスワース),クリエン(レッドブル・フェラーリ),モンタニー)が現場に取り残されセーフティカー介入.何とかピットに戻ることができたバトンもリタイアとなる.マクラーレン,スタート後10秒で全滅….速さが戻ってきたと思ったら今度はアクシデントかよ,トホホ.
  • 再スタート後もトラブルは終わらない
    7周めにセーフティカー解除.ところが今度はモンテイロ(ミッドランド・トヨタ)と佐藤が接触.佐藤はその場でマシンを降り,モンテイロはピットに戻るもリタイアとなる.レースはフィジケラがチームメイトのアロンソを交わし再度3番手に復帰.しばらくこう着状態が続く.
  • フェラーリ独走
    フィジケラが必死にフェラーリを追いかけるがその差は縮まらない.フェラーリの2台は1回めのピットイン,M.シューマッハを迎え入れ,続いてマッサを迎え入れる.両者ピット作業を終えると大人の理由でM.シューマッハとマッサの順位が入れ替わっているのであった.
  • トゥルーリ1ストップ作戦成功
    前戦カナダGPでようやく今期初のポイントを獲得したトゥルーリ.アメリカGPでのピット戦略はなんと1回ストップ作戦.ピットスタートにより結果的にクラッシュを避けることができ,自分のペースで走ることができたことも幸いしたのだろうが,表彰台目前の4位入賞は立派.ヨーロッパに戻ってもこの好調を維持できるのか?
  • 跳ね馬2度めの復活,アロンソ表彰台を逃す
    結果,異次元の速さでトップを快走したM.シューマッハがポール・トゥ・ウィン達成.マッサも2位に入りフェラーリの1-2フィニッシュ!カバリーノ・ランパンテ(跳ね馬)は2度蘇る.3位はフィジケラ,アロンソとしてはフェラーリを喰って欲しかったところだろうが,ここまでが精一杯といった感じ.4位が前述の1ストップ作戦的中のトゥルーリ.アロンソが今期初めて表彰台を逃す5位.以下バリチェロ,クルサード,リウッツィまでが入賞.9位のロズベルグまでが完走.近年稀に見る超サバイバル戦となった.

ここまでのポイントを計算してみよう.トップのアロンソが88ポイント,追いかけるM.シューマッハが69ポイントで19ポイントのビハインド.3位にフィジケラ43ポイント,フィジケラにランキング3位を譲ったライコネンが39ポイント.実質アロンソとM.シューマッハの2人にチャンピオン争いが絞られたと言えるだろう.たらればの話だが今後,もしアロンソが全て5位でフィニッシュしたとしよう.すると合計120ポイント,M.シューマッハそれに辿り着くためには5勝必要.こう書くと難しいように感じるが,アロンソが1発リタイアしM.シューマッハが優勝すると一気に10ポイント差が詰まる訳で.このポイント差,大きいと見るか小さいと見るか,微妙なところである.コンストラクターはルノー131ポイント,フェラーリ105ポイント.この26ポイント差も微妙だよなぁ.フェラーリが本当に復活していたら十分射程圏内だが….

次戦,第11戦はヨーロッパに戻りにマニクール・サーキットで行なわれるフランスGP.いわゆるミッキーマウスサーキットであるためコーナリングが重要となる一戦.決勝は7月16日.カバリーノ・ランパンテは再び頂点に立つことができるのか?


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レプトン

お久しぶりです。
やはり今回はミシュランの控えめなタイヤによる影響もありそうですね。
それと、アロンソの機械系に不具合という点も、今期なかなかないことなので気になります。
by レプトン (2006-07-05 01:24) 

as

フェラーリの「大人の理由」には、笑ってしまいました!大人の世界は複雑ですからね。前半戦を終えてのポイント差は、かなり微妙な感じですが、今回のアメリカGPで完全にフェラーリが復活なら、逆転可能な差だと思うので、F1を楽しくするためにも頑張ってもらいたいものです。
by as (2006-07-05 20:09) 

yas-shi

レプトンさま,asさま,コメントありがとうございます.
ブリヂストンはインディカーなどアメリカのレースにも多くタイヤを
供給してますからね.その差がレース結果に出たと思います.
今回のフェラーリの復活劇にはブリヂストンの恩恵に
あずかったものと思いますが,ヨーロッパに戻って好調子を
キープできればシーズン終盤に逆転ドラマが見れるかもしれませんね.
私的にはどちらがチャンピオンを取っても良いので,
フェアな戦いが見たいなと思っています.
by yas-shi (2006-07-05 21:21) 

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