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脳血流を用いた意志伝達機器について考えた [e-AT・AAC(コラム)]

F1記事を書くためにYahoo!を開いたところ,福祉関連の国内最大の展示会「国際福祉機器展」が本日9月27日から29日まで東京ビッグサイトで行なわれることも関係しているのか,珍しくAT/AAC関連の記事がトップに来ていたのでフォローしたい.「血液量で意思伝達する装置」この記事である.Yahoo!のみだと記事が流れてしまう可能性があるので,念のため関連リンクをそのまま以下から張っておく(メディア系サイトの場合,記事が流れている場合があるので予めご了承頂きたい).

この日立製作所の脳血流スイッチであるが,私も会員になっているリハビリテーション工学協会コミュニケーションSIG,2001年開催時に日立製作所から開発中ということプレゼンテーション,展示されていたものである.当時,私も研究中のセンサーを実際に自分に装着して試してみたが,初めてということもあり当時はうまく操作できなかったことを記憶している.あれから4年,ようやくある程度の目処がたったということで非常に感慨深いものを感じる.日立製作所他関係者の皆様にとりあえず「おめでとうございます」とこんなblogの場ではあるが,一言お伝えしたい気分である.

ALSという疾患については上記の日本ALS協会様のサイトをご覧頂ければお分かり頂けると思うが,かなり辛い難病である.「だんだんと筋力が衰えていき,嚥下や発声が困難になってくる.筋力の衰えでに呼吸もできなくなるが,人工呼吸器の装着でかなりの期間延命することが可能となっている.ただし,体は動かなくなっても,意識はしっかりしているため,自身の意志を伝える手段の確保が重要になってくる」自分がALSになったことを想像して欲しい.

今回紹介されている脳血流センサーを用いた意志を伝える機器に関してはALSのターミナルに近い方が使用されるケースが多くなると思われる.「はい」と「いいえ」を伝えることが出来れば,方法を工夫すれば実はかなりのコミュニケーションが可能となってくる.

気になるのは現段階での正答率が80%程度であることと,判定にかなりの時間を要する点.同じようなコンセプトの商品としてテクノスジャパンが開発,販売を行なっている脳波スイッチ「マクトス」,筋電・眼電スイッチ「エモス」があるが,こちらは「はい」「いいえ」の判別はすぐに判定が可能となっている.

個人的な見解として,脳血流や脳波等,体の動きではなく目に見えないものをセンサリングしているスイッチについては,意志伝達のために若干のリスクはあると思う.もし僅かでも動く部分でスイッチを操作した場合,スイッチのフィッティングの問題で発生したトラブルが起こったとき,その問題が「目に見える」のである.「目に見えない」ものの場合,誤動作が非常に分かりにくいというリスクである.

これについては,訓練用ソフトウェア等によりトラブルの把握が可能である(「マクトス」では訓練用ソフトウェアが用意されている).今回のスイッチに限ったことではないが,特に進行性の疾患のコミュニケーション機器に関しては,なるべく早い時期での導入と練習が必要なのではないかと考えている.

皆様のご意見があれば,是非ともTB,コメントを頂きたい.


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