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置き換えりゃいいってもんじゃないよ その3 [コラム・小説・詩]

いつか出るだろうなぁ,と思っていた表記「しょうがい」「しょうがいしゃ」表記,かなり使われはじめてきたようです.「障害」表記と「障がい」表記に関しては,かなり前の記事に書いたので事前に読んでおいていただけると,この記事も分かりやすくなるかと思います.

 置き換えりゃいいってもんじゃないよ

 「障がい」表記に関して,再び…(置き換えりゃいいってもんじゃないよ その2)

あくまで私個人の意見ですが,記事を書いて1年以上経過しましたが,まだ「障がい」表記に馴染んでいない感じです.もちろん公的機関で「障がい」表記が広がっているのは実感しているのですが….やっぱり日本語的に「障がい」と書くにはかなり抵抗があります.「障碍」表記にできない事情も分かるんですケドね.

なぜ「障がい」表記になったかは以前の記事に書いているのでここでは記載しませんが,「障がい」表記がある程度広がってくると,
「『障』の字『さしつかえる』『邪魔になる』というネガティブなイメージがあるので『障がい』ではなく『しょうがい』と書くべき」
という考えで「しょうがい」表記が出てくるだろうなと思っていたんですよ.で,事実出てきている訳で.あくまで参考ですが「障害者」「障害がい者」「しょうがいしゃ」のGoogleの検索結果をリンクしておきます.

 障害者

 障がい者

 しょうがいしゃ

一応誤解のないように書きますが,私は「しょうがいしゃ」という表記は違和感はあるものの必要,「障がい」という表記に関しては違和感がありあまり使いたくないという考えです.なぜ「しょうがいしゃ」表記が必要なのか?そんなに難しい理由ではありません.「障害者」「障がい者」の表記では理解できないケースがあるからです(知的に障害のある方や認知に問題のある方など).ただし「障がい者」の延長で「しょうがいしゃ」と書くのは,これまでと同じく違和感を感じあまり使いたくない,というスタンスです.

あと日本語の場合「障害」という言葉に多くの意味がありすぎるという感じはします(「中山大障害」「電波障害」など).同じ障害のいう言葉を使っていても,それが医療的な障害なのか機能的な障害なのか社会的な障害なのか,いまひとつ分かりにくいですよね.

ちょっと古い考え方になりますが,WHOが1983年に定めた障害の分類方法でICIDHがあります.例を簡単にあげてみます(プログレ系のとあるドラマーの例です).

  1. 階段から落ちて脊髄損傷になる(Impairment=機能形態障害)
  2. 脊髄損傷になり移動に車いすを用いる必要が生じる(Disability=能力障害)
  3. ドラムを演奏することができなくなりバンドを脱退する(Handicap=社会的不利)

この3つの言葉,一応日本語訳を横に書きましたが,簡単に日本語で片付けようとするとすべて「障害」という言葉に集約されてしまうんですよね.そういう意味では簡単に「障がい」と置き換えるのではなく,「障害」という言葉の定義を再度行なう必要が生じてきていると感じています.

言葉というものは時代によって変わりますが,なぜこのような言葉を用いるのか,なぜこのような言葉を用いてはいけないのか,このようなことを考えていう必要があるのではないでしょうか.それはもちろん「障害」という言葉に関わらず.

長くなりましたが,今日はこんなところで.


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