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クレイ・レガッツォーニをご存知か? [F1]

あなたは,クレイ・レガッツォーニというスイス人レーサーをご存知だろうか?

4~5年前,ホンダのCMで車いすから改造NSXに乗り移りサーキットを攻めまくっている車載映像が写った後,車いすに戻って楽しそうにウィリーしていたおじさん.あのおじさんが今回紹介するクレイ・レガッツォーニだ.

F1参戦時の戦績を記載しておこう.1970年にフェラーリでデビュー(当時のフェラーリF2チームからの抜擢),このときレガッツォーニ30歳,大器晩成型のレーサーである.初優勝は同年のイタリアGP.その後1980年に引退するまで,フェラーリ・BRM・エンサイン・シャドウ・ウィリアムズを渡り歩き,通算成績は132戦5勝5ポールポジション15ファステストラップ,総獲得ポイント212.

ドライバーズランキングの最高位はエマーソン・フィッティパルディとチャンピオンを争った1974年の2位,このときレガッツォーニは僅か3ポイント差でチャンピオンを逃している.ウィリアムズに籍を置いた1979年のイギリスGP,フランク・ウィリアムズに初勝利をプレゼントしたのもレガッツォーニ.戦績をみると,いぶし銀の職人気質のレーサーであることがうかがえるだろう.

そんなレガッツォーニをF1から引退に追いやったのが,1980年ロングビーチ市街地コースで行なわれたアメリカ西GPでの大クラッシュ.レガッツォーニのドライブするエンサインはストレートでブレーキトラブルに見舞われてしまう.彼は自ら壁にマシンをこすり付けて減速を試みるも,十分にスピードを殺せずストレートエンドで激しくクラッシュ.その際,背骨を骨折,脊椎損傷のため車いすでの生活を余儀なくされてしまう.

ところがここでレガッツォーニのレーサー人生が終わったと思ったら大間違い.手だけで操作できるように改造したマシンを駆ってスポーツカー,GTカーのレースに参戦.さらに驚いてしまうのは,ダカールラリーにまで参戦.なんと今年2005年に3回めの出場を果たしている.すなわちレガッツォーニは現役のレーサーなのだ!1939年生まれだから今年で66歳,障害の有無は関係なく,凄まじいバイタリティである.

レガッツォーニのある一面,彼は日本のNPO法人「ハンド・ドライブクロス協会」の会長でもある.名前からも分かると思うが,手だけで操作できるKARTで健常者と同じ土俵で戦う競技を行なっている団体である.レガッツォーニが現役F1レーサー時代にファンからもレーサーからも慕われたのがよく分かる一面だろう.

最後にレガッツォーニにちょっとだけ関係する自慢話.日本最大の福祉機器展に私の勤める会社が出展したときのこと.たまたまうちのブースのとなりがホンダブースだったのだ.私は展示の合間の休憩のとき,実際CM撮影に使われたNSXを間近に見ることができたのである.このマシンでサーキットを走っていたのか,と感慨にひたってしまった.

クレイ・レガッツォーニのバイタリティを参考にして生きていきたい.そう思わせるレーサーである.


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みちあき

はじめましてです。もちろん、会ったことなどありませんが、知っています。車椅子のまま、レース場に姿を見せた写真を、ずいぶん前オートスポーツかなんかで見た気もします。懐かしい名前ですね。
by みちあき (2005-09-15 11:46) 

yas-shi

みちあきさま,はじめまして.
私はホンダの第2期参戦時にF1を追いかけはじめたので,
実際のところ彼がF1をドライブしているのをリアルタイムで見たことは無いんですよね.
名前と大体の成績は勉強?していたので知っていましたが.
ホンダのCMかっこよかったですもんね.
by yas-shi (2005-09-16 00:52) 

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