肢体不自由のある方へのAT/AACその1 [e-AT・AAC(試験対策)]
ということで各論に入っての5セクションめ.肢体不自由(運動障害)のある方へのAT/AACの紹介である.ここでは3回に渡って,肢体不自由の原因・種類,パソコンへのアクセス,生活支援機器についてまとめる予定.今回は肢体不自由の原因・種類をまとめている.
- 肢体不自由(運動障害)
18歳以上の在宅の肢体不自由者数は約1,749,000人,18歳未満の在宅の肢体不自由児数は約47,700人(平成13年現在). - 肢体不自由の原因・種類
- 脳損傷によるもの
- 脳梗塞…脳血管がつまる.
- 脳出血…脳血管の破裂.
- 脳外傷…脳に強い衝撃を受ける.
- 脳性マヒ(CP)…受胎時~生後4週までに脳に損傷が発生したもの.
- 脳腫瘍
- ALS(筋萎縮性側策硬化症)…脳と脊髄を結ぶ神経の疾患.
など - 特徴
- 脳の損傷部位とは反対側がマヒする.
- 広範囲に損傷すると全身マヒ(四肢マヒ)が発生する場合がある.
- 脳の損傷により,言語障害・記憶障害・認知障害を併発する場合がある.
- 脊髄損傷によるもの
- 交通事故,スポーツの事故などにより発生.
- 脊髄が分断されると損傷部位が繋がる器官以下の運動が不可能となり,感覚も無くなる.
- 損傷部位が高位になるほど障害が重度化する.
- 体温調整・排尿・排便が困難になる.
- 末梢神経の損傷によるもの
- 神経の圧迫,外傷,血管障害などによって発生.
- 末梢神経が支配している部分がマヒする.
- 筋肉の疾患によるもの
- 筋ジストロフィーが代表例.
- 筋ジストロフィーの場合,筋肉が萎縮するため歩行障害や呼吸障害を併発する.
- 骨・関節の疾患によるもの
- 例として骨腫瘍,関節炎,リウマチなどがある.
- 疾患部の腫れや痛み,関節運動の制限が起こり,関節部分が固まる場合もある.
- 脳損傷によるもの
- 肢体不自由の特徴
- マヒ…体を動かすことができない状態.
- 不随意運動…本人の意図に反して体が動く運動のこと.
- 震戦…曲げる筋肉と伸ばす筋肉のように拮抗した筋肉が交互に収縮するために発生する比較的リズミカルな無目的な振え(不随意運動)のこと.特に目的物に近づくときに大きくなる震戦を企図震戦という.
- アテトーゼ…主に手足に見られるゆっくりとした異常な運動でねじれ・伸び・曲げといった運動が組み合わされて発生する不随意運動.脳性マヒの方に症状として表れることが多い.また緊張にともない発生しやすい傾向がある.
- 痙攣…全身の筋,筋群の発作性の筋肉の収縮による不随意運動.
- パーキンソン症状…震戦,硬直,運動緩慢であり無動の状態である不随意運動.
- 失調症状…協調した運動と平衡障害により,意図した運動が行なえない不随意運動.
- 四肢の変形・欠損…先天的な疾患,事故による切断などが代表例.
- 姿勢保持の障害…定頸困難,座位困難などがある.
次回はパソコンへのアクセス方法についてまとめる.
参考文献・サイト
e-AT利用促進協会 監修
e-AT利用促進協会 監修
e-AT利用促進協会 監修
ジョゼフ・ラザーロ 著/安村通晃 監訳/島原信一・中村美代子・石田直子 訳
こころリソースブック編集会
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